2021年12月10日金曜日

再エネを100%にしたときに必要な蓄電容量

  2050年に、電力を再エネ100%にできると主張する方々がいらっしゃいますが、風力と太陽光は気象に左右されますので、現在は電力を安定的に供給するには火力発電が必要です。将来的に火力発電を蓄電に置き換えることで火力の割合を減らすことができますが、日本全体で電力を安定的に供給するためには、どのくらいの蓄電容量が必要になるか計算してみました。

 まず、再エネのなかでも蓄電のいらない比較的安定的に電力供給できる水力や地熱、海流発電の割合ですが、現在水力は電力全体の7~8%です。小水力などが普及したとしてもせいぜい10%程度でしょう。地熱や海流発電はポテンシャルはあるものの、まだどうなるかわかりません。バイオマスもたいして増えないでしょう。地熱、海流、バイオマス合わせて5%程度供給できるとして、水力も合わせて15%程度と想定すると、残りの85%を風力と太陽光で供給するとなると蓄電が必要になります。

 蓄電容量ですが太陽光なら雨や曇りだとほとんど発電できませんので、雨や曇りがどのくらい連続するか?風力なら風が弱い日がどれだけ続くか、地域によって差も多きいと思いますが、日本全体で電力を融通できるとしたら7日分くらいあれば安定的に供給できるのではないかと思います。(発電所の場所と地域別の気象データーで精密に計算する必要はあるでしょうけれど、ここではおおよその規模を計算したいので7日分と考えます。

 日本の総電力需要は現在1兆kWhで、30年後も同じ*として、その85%を太陽光と風力が必要だとすると年間8500億kWh、7日分蓄電するとなると163億kWh分の蓄電が必要になります。
雨天が続きかつ風が吹かない日が続くということは考えにくいので、実際はこの6~7割くらいあれば足りるのではないかと考えます。
 季節変動も考えないといけませんが、夏場など冷房で電力需要が多いのですが、暑くて電力需要が多いときは晴天率も高いので7日分の蓄電容量は不要になると考えられます。

 以上より、おおよそ100億kWh分の蓄電があれば全て再エネ100%にできるのではないでしょうか?その設備コストですが、1kWhあたり1万円とすると100兆円です。10年の寿命だとすると年間10兆円、国民一人当たりの負担は年間約10万円
 kWhあたり1000円になれば10兆円、10年の寿命だとすると毎年1兆円です。国民一人当たりの負担は年間約1万円、このくらいになると現実的かもしれません。

 もし、乗用車が100%EVになったとして、平均蓄電池容量が平均100kWhで5000万台とすると蓄電容量は合計で50億kWh分、多くの乗用車はあまり使われていないので、この半分くらいは再エネ電力の安定化に利用できる可能性もありますし、各家庭で蓄電すると有利な政策など考えれば電力会社が設置する蓄電容量は減らせる可能性もあります。

 ここでは、素人の思いつきでの概算ですが、再エネを拡大を叫んでいる方々にはもっと精密な計算や見通しなどから再エネ100%のミックス、蓄電容量、そのコストなどを示してほしいと思います。

 *2050年の年間電力需要ですが、さらなる省エネ、高断熱住宅やオフィスの普及、産業構造の変化、人口の減少などで20%の2000億kWh削減、EVが2000億kWhで現在と同じ約1兆kWhとしました。

2021年11月22日月曜日

日本の車が全てEVになった時に必要な電力

日本の乗用車とトラックすべてが電気自動車になったら、どのくらいの電力量が必要か、ガソリンと経由の消費量から計算してみました。

国土交通省の自動車燃料消費量統計にガソリン車両と軽油車両の総走行距離も出ています。

平成28年統計では
年間のガソリン供給量は51300千キロリットル
軽油は25443千キロリットルです
ガソリン車の総走行距離は
605,458百万km
軽油車は
115,549百万km
平均燃費はガソリン車11.8km/リットル
軽油車はトラックバスなど大型車がほとんどなので、
平均約4.5km/リットルです。
電費ですが日産リーフやテスラなどの情報や現状の燃費から
ガソリンエンジンを置き換えた乗用車を置き換えた場合の平均を
5km/kWh
軽油車を使うディーゼルエンジンのトラック、バスをEVに置き換えた場合の平均を
1.5km/kWh
として計算して、総走行距離を掛け算してみます。
ガソリン車(主に乗用車)分の年間必要電力はおおよそ
1200億kWh
軽油車分(主にトラック、バス)でおおよそ
800億kWh
合計で
2000億kWh
現状、日本の総電力需要は約1兆kWhなので20%ほどになります。
これを365日24時間で平均すると
約2300kWの発電所が必要
30年後だとするとさらなる節電、人口減少、高断熱住宅やオフィス普及、産業構造の変化などで今の供給量で足りるだろうし、EVの蓄電池で電力平準化にも役立つはずなので再エネの拡大にもなるはずです。
ということで、発電所を大幅に増やす必要はなくEVの電力はまかなえる計算になります。
「発電に化石燃料を使ったら、ガソリンや軽油を使う内燃機関の車と二酸化炭素排出量は同じではないか?」と考える人がいますが、これも計算してみましょう。
二酸化炭素排出量は最新の石炭ガス化コンバインドサイクルや、ガスコンバインドサイクルでは、
石炭発電、kWhあたり650g (1700℃級IGCC)
ガス発電、kWhあたり310g (1700℃級GTCC)
だそうです。 

2000億kWhだとそれぞれ 0.65kg/kWh、0.31kg/kWhをかけると
1300億kg、620億kg

これをエンジンに置き換えると
ガソリンは1リットルあたり2.323kg
軽油は1リットルあたり2.619kg
年間消費量のガソリンと軽油
51,300,000klと25,443,000kl
にそれぞれ掛算すると約1191億kgと666億kgになる
合計で1857億kgで、石炭発電よりも劣る計算になります。

もちろん、内燃機関もハイブリッド化で二酸化炭素排出量は削減できますが、自動車で二酸化炭素を回収することは困難です。発電であれば二酸化炭素の回収は可能ですし、再生エネルギーの拡大により、二酸化炭素の削減が可能です。
再エネが拡大すれば、太陽光や風力で電気が余る時間帯に格安で充電するなども可能になるでしょう。
資料

2020年4月6日月曜日

新型コロナ関係 COVID-19 関係 リンク集

新型コロナウイルスに関する情報発信しているサイトを集めてみました。
複数の情報を確認することで誤った情報などに惑わされないように判断しましょう。

公的機関
 厚生労働省
   帰国者接触者相談センター
   新型コロナ心のケア
 NIID 国立感染症研究所
 外務省
   内閣官房新型コロナ対策
 独立行政法人製品評価技術基盤機構の消毒に関する評価
 日本学術会議特設サイト

地方自治体
 神奈川県
 東京都感染症情報センター
  東京都感染者動向

民間団体 大学
 日本救急医学会
 東京都医師
 日本医師会
 日本赤十字社
 新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会
 日本疫学会
 日本公衆衛生学会
 札幌医科大学
 ジョンホプキンズ大学特設サイト
 国境なき医師団

海外公的機関
 WHO
 CDC アメリカ合衆国
 ニューヨーク州新型コロナ特設サイト
  ニューヨーク州集計
 ECDC ヨーロッパ
 フランス政府入国者向け新型コロナ情報
 中国広東省人民政府

報道機関
   感染速報
 日経特設サイト
 NHK特設サイト
 東洋経済特設サイト
 東京新聞、東京都内の集計
 NNN
 ファクトチェックイニシアチブ 新型コロナ特設サイト

海外報道機関
 DW ドイツ
 BBC
 France24

その他
 横浜市立大学データサイエンス学部佐藤彰洋教授
 山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

2019年12月21日土曜日

ガス火力発電は石炭火力発電より温室効果ガスの発生が本当に少ないのか?

発電時の二酸化炭素排出量は、炭素の塊である石炭発電が水素原子を含む炭化水素ガス発電より多くなる。世界的にも環境団体などから石炭発電が反対されているのは、二酸化炭素排出量がガス発電より多いからだ。
しかし、ガス発電はガス採掘時を含めて本当に温室効果ガスの放出量は少ないのだろうか?
ちょっと調べてみると、天然ガスの採掘で数パーセントのガスが大気中に漏れてしまうようだ、数パーセントから多い場合は十数パーセントが漏れているらしい。シェールガスもフラッキング時に地中から外にガスが出る可能性もある。
天然ガスの主成分はメタン、メタンは二酸化炭素の25倍も温室効果があるそうだ。メタンは大気中で酸素と反応して二酸化炭素と水になるが、十年以上は大気中で存在することになるので、大量に放出されれば地球温暖化に影響する。
そう考えると、石炭発電よりガス発電の方が温室効果ガスの放出が少ないと単純に言えないのではないか?

そこで、計算してみよう。
石炭の二酸化炭素排出量は0.0247tC/GJ 1ギガジュールあたり炭素量で24.7kg
天然ガスの二酸化炭素排出量は0.0135tC/GJ 1ギガジュールあたり炭素量で13.5kg
これを1気圧での二酸化炭素の容量に換算すると
それぞれ、
46.1立方メートル
25.2立方メートル
1GJの発熱量を得るために必要な天然ガスの量は
約40MJ/㎥ですから、
25立方メートル

ここで、25立方メートルの天然ガス生産時に漏れるメタンが3%とすると、
漏れ量は0.75立方メートル
これを二酸化炭素の温室効果換算すると25倍だから、
約18.8立方メートル
これと発電時の二酸化炭素排出量と足すと 25.2+18.8=44.0
石炭と比較してわずかに少ない。

もし、天然ガス生産時に漏れるメタンが4%になると、1立方メートル漏れるので、
二酸化炭素換算では25立方メートル
石炭発電の温室効果ガス排出量を上回ってしまう。

石炭採掘でガス漏れはないとして計算しているが、実際、天然ガスの採掘時の漏れ量は十数パーセントという場合もあるらしいし、不純物として二酸化炭素や他の温室効果ガスもでるわけで、採掘まで含めると天然ガス発電の温室効果ガス発生量が少ないとは限らないことになる。

参考情報
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H0O_Z10C15A8EAF000/
http://tenbou.nies.go.jp/news/fnews/detail.php?i=10246


2019年8月10日土曜日

石から出来た紙は燃えます

石から出来た紙と宣伝されているストーンペーパー、「石だから燃えない」とか、「不燃性でしょ」と誤解されている方がいらっしゃいました。
実際は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチックが体積の大半を占めているため、良く燃えます。不燃性と誤解して、ストーブやコンロなど炎に触れるような使い方をされると危険ですので注意しましょう。

試しに燃やしてみました。
ポリプロピレンの引火点は300度程度です。




本当にエコなのか話題になっています。

2019年5月1日水曜日

風力発電とバードストライク

風力発電の増加で、風車でのバードストライクはカウントしやすく目立つので問題視され、風力発電のネガティブキャンペーンに使われることが多いですが、どの程度問題なのか調べてみました。実際に鳥類が被害を受ける原因は何があるのでしょう。

2005年のアメリカの論文によると、年間の鳥類被害の原因は

ビル 5億5千万件
送電線 1億3千万件
猫類(飼い猫、野良猫)の被害 1億件
自動車への衝突 8千万件
農薬 6千7百万件
通信塔 4百50万件
風車 2万8千5百件
航空機 2万5千件

この情報を見ると、特に対策すべきは、ビルです。ガラス張りの高層ビルを制限するほうが鳥類への影響を減らせるかもしれません。次は送電線でしょう。
風力発電での被害が多くないのは、集計した時点での風車の数が少ないから少ないのですが、風車が1000倍に増えても3千万件です。送電線が増える方が鳥類に与える影響が大きいかもしれません。風力以外の発電だからバードストライクは無いという事にはなりませんから、送電線の地下化や、中央集権型の長距離送電ではなく、地産地消の電力の普及を進める事で減らせるかもしれません。

風車でのバードストライクは猛禽類など特定の鳥類が被害に遭いやすなどがあるようですし、対策はもちろん必要だと思います。しかし、目立つからとそこばかり騒ぐのではなく、情報を良く確認して、大きな原因から手を打ってゆく必要があると思います。

参考資料
A Summary and Comparison of Bird Mortality fromAnthropogenic Causes with an Emphasis on Collisions

http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/windpower_and_birds.html

2019年4月25日木曜日

ブレインストーミングで原発トラブルの問題抽出?

電力会社のトラブル対策資料がウエブページに出ていたのですが

資料を読むと
「H17上期のトラブル30件の要因を、マネジメント(集団)、人(個人)、インターフェース(集団と個人、個人と個人) の該当項目にチェックを入れ、それぞれ要因を書き出して、ブレーンストーミングにより主要共通事項を抽出」
と書かれている場所がありました。

ブレインストーミングと言うのはアイデア出しのツールです。通常は奇想天外なアイデア出しに使うものです。トラブル対策のアイデア出しに使うならともかく、網羅的に何かを抽出するのに使うというのは間違っているのではないでしょうか?

ブレインストーミングは思いついても思いつかなくても良いことに使うものですから、抽出漏れが発生する可能性があります。このような会社が原発を動かしていて大丈夫なのでしょうか?ちょっと不安になりました。

もちろん、何もやらないよりも良いとは思いますが、

資料は
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai25kai/no3.pdf

2019年4月22日月曜日

安全性がはっきりしないモノは使わないのが原則

除草剤のラウンドアップ、日本では販売が継続されていますが、海外ではグリホサートに発がん性の懸念があるということで、禁止された国もあります。フランスでは禁止されたという報道があります。
https://www.afpbb.com/articles/-/3206613

ランドアップには、グリホサートが含まれており、2015年に国連の世界保健機関、WHOの下部機関である国際がん研究機関、IARCが「グリホサートの発がん性をグループ2Aに分類」しました。グループ2Aとは「おそらくヒトに対して発がん性がある」という意味です。
一方で、「発がん性があるとは考えにくい」という情報も米国環境保護庁などから出ています。本当は全く問題が無いかもしれませんが、WHO等の公式な機関が出している情報を全く無視してよいとは思えません。


さて、このように見解がわかれている場合、安全性に白黒がついていない状況であるときはどうするべきでしょうか?

グリホサートの人に対する発がん性の白黒がつくまでには何年かかるかわかりません。もちろん、私にもわかりませんし、どちらの見解が正しいかも少ない情報では判断できません。このような判断の出来ないときはどうするか「少しでも安全性に問題がありそうな物は使わない。」というのが、長年、製品安全にかかわってきた私の見解です。

つまり、使わないで済むならば使うべきではないということです。目的に対して代替手段がないのであれば、リスク承知で使うということもあるかもしれません。医薬品などは抗がん剤など、副作用承知で使う場合があります。しかし除草では代替手段もあります。健康被害の可能性が少しでもあれば、多少不便になったとしてもならば使用を避けるべきでしょう。

過去に日本では水俣病などで、ウソとも言える研究成果が出回り対応が遅れてしまい被害が拡大しました。正しい認識をしていた人たちもいましたが、無視され続けて、被害が拡大しました。
水銀を規制する水俣条約ができたのは、つい最近の事です。
https://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170519007/20170519007.html
化学物質の危険性の白黒がつくのには、長い時間がかかることが多いです。諸外国では疑わしいので禁止するが、日本ではいまだに、経済優先なのか、グレーの場合は規制せずです。水俣病の反省が活かされていないような気もします。

2019年4月19日金曜日

建設、工作、工事現場での火災防止

4月16日の朝、ノートルダム大聖堂の火災という残念なニュースが入ってきた。
原因はまだ不明だが、工事中だったという話だ。
過去にも建造中の客船が火災になったり、建設中や補修中の建物や道路で火災が発生したりしている。どうしたら出火を防ぐことができるだろうか?
いくつか原因を書いてみますので、参考にしてください。

【溶接による出火】
溶接で近くに可燃物があり燃えたという話はよくある。基本は現場の整理整頓、それからよくある誤解が、難燃性と不燃性、難燃性は着火しにくいだけで大きな熱が加われば燃え出す。溶接している場所の裏側に可燃物がたくさんあったなどいう話もある。十分注意するしかないだろう。
忘れやすいのは、電気溶接の場合のグランドのクランプ、接触不良があると火花が飛んだり接触部分が過熱して、可燃物があれば燃え出すこともある。接触不良は溶接する金属に塗料なので被覆があったり、サビていたりする場合。または、うっかり溶接部とグランドのクランプ部分との間がネジ一本でしかつながっていないため、電流が流れたとたんにネジが加熱するということもある。電気溶接はグランドのとりかた、電流の流れるルートなどを良く確認する必要がある。

【グラインダーの火花】
溶接部などを綺麗に整えるためグラインダーを使う事がある。現場でカッターで鋼材を切断する事もある。そして、火花の飛んで行く先に可燃性の物があると着火する可能性がある。試しに油の染み込んだぼろ布を火花の飛ぶ方向に置いて試したところ簡単に火がついた。麻袋なども着火する。グラインダーを使用する場所には可燃物を持ち込まない。または、不燃物で覆うなどが必要だ。

【電気による出火】
工場でも、工事現場でも、大電流の工具などを使う時に、アウトレット(コンセント)部分にプラグを差しても、ゆるゆるの場合がある。接触点が少なく抵抗を持ってしまうと、そこで発熱する。ヘアドライヤーなど使い終わった直後にプラグを触ると熱くなっている経験がある人も多いでしょう。小さな抵抗でも大電流が流れれば発熱も大きくなります。ねじ止めしている端子なども同様。仮設の電気配線が端子のねじ締め忘れで、その部分が発熱する場合もあるので、配線は特に端子部分を念入りにチェックすべきである。
有名な現象としてあるのは、プラグの端子間に埃がたまったりして起こるトラッキング現象、特に埃が多いところ、木工や木造建築現場などでは、おが屑でコンセントが埋もれていたりして、湿度の多い梅雨の時期に電流が流れて発火する火災も起こっているので要注意です。最近は少ないが白熱電球など熱の発生が多い電球に可燃物が触れて発火する事故もある。発熱しそうな部分、接触不良を起こしそうな部分、その周囲や直下は特に可燃物が無いことをよく確かめておく必要があります。

【ガソリン】
電源が無い現場で、ガソリンエンジンの発電機を使うことがありますが、エンジンを止めずに給油したり、ガソリンをポリタンクで持ち歩足り、中にはタバコを吸いながら給油作業する強者もいますが、静電気でも発火する可能性があるので、十分注意が必要です。その他、灯油、塗装のシンナーなど危険物といわれるものも多いので管理を怠ってはいけません。

【タバコ】
工事現場でのタバコのポイ捨て、乾燥している時期や、塗料などの可燃物があるところでは、うっかり火災の原因になることがありそうです。

まとめると、火を使うもの、電気を使うもの、可燃物、埃がたまるところ、手抜きなど、基本的な注意を怠っておこることがほとんどです。
今からでも、今日からでも遅くありません。事故が起こる前に、まずは、身近なところからチェックしよう。






2019年4月8日月曜日

マイクロプラスチック問題解決にならない「生分解性プラスチック」

プラスチックの海洋汚染が問題になってしますが、解決策として「生分解性プラスチック」が提案されています。「生分解性」と聞くと、微生物が分解してくれるので、捨てても大丈夫という印象を与え、多くの人が「生分解性プラスチックなら大丈夫」と思ってしまいます。実際に、個人だけではなく、企業や自治体なども生分解性だということだけで、推進してしまう場合があります。本当に解決するでしょうか?
実際は「生分解性」と言っても、ある程度の温度(50℃程度あると良いと言われています)と微生物が豊富なコンポストなどで分解が進むのであって、自然界に放置しても分解まで時間がかかります。特に水中、海中などでは温度も低く、酸素も少なく、微生物も少ない状態ではほとんど分解しない場合があります。
参考文献 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/gch2.201700048

生分解性プラスチックを活用して、使い捨ての食器に使うという動きもありますが、海に捨てられたら何の解決にもなりません。特に比重が水より重いプラスチックは湖底や海底に沈んで、粉々になったとしても、ほとんど分解されずにマイクロプラスチック問題を引き起こす可能性があります。「生分解性プラスチックでマイクロプラスチック問題を解決できる。」とうのは全くの誤解であることがわかります。
使い捨ての食器は全て回収して環境中に投棄されないようにするか、紙など環境中に出ても問題を引き起こさない材質にすることが重要です。もし、コンポストで全てを分解するとしても、二酸化炭素以外にメタンなどの温室効果ガスも発生しますので、必ずしも環境に良いとは限りません。また生分解性プラスチックは一般的にリサイクルには不向きですので、回収する場合は生分解では無い方が良いかもしれません。

以上、生分解という言葉にだまされて安易に使い捨ての食器など、安易に環境中に捨てられてしまうような用途に使わない方が良いといえます。

参考情報 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO38100800S8A121C1000000/

2019年3月9日土曜日

弾道ミサイルを撃ち落とせるレーザー兵器は開発できるか?

「ミサイルを撃ち落とせるレーザー兵器は開発できるか?」
大手新聞社が弾道ミサイルを撃ち落とせるかのような新聞記事を書いているので、実現可能だと信じている方々が多い様ですが、答えは物理的に不可能です。

その理由をいくつかとりあげてみます。

1)レーザー光は広がる
レーザー光で金属等を焼き切ろうとするためには、なるべく小さい面積に光を集めてエネルギーを集中する必要があります。レーザーカッターやレーザー溶接機はレーザービームを一点に集めてエネルギーを集中することで、金属を焼き切ったり、溶かしたりすることができます。遠方でもレーザー光線を小さい面積に集中できればミサイルの一部を焼き切れるかもしれません。しかし、それは不可能です。

「レーザー光線はどこまでも広がらずに照射できる」と思っている方がいらっしゃいますが、レーザー光といえども回析するので広がります。例え空気の無い真空の宇宙空間だとしても距離がはなれるほど光を一点に集めることができなくなります。これは光の性質なので、どうすることもできません。回析は光をスリットに通すとスリットから広がる現象で、物理の実験などで試したことがある人も多いとお見ます。スリットが狭ければ狭いほど広がります。

どのくらいのビーム径:D0になるか計算式は、


D0 = 4λL/πD

λ:光の波長
L:距離
D:レンズに入射するレーザー直径=レンズの直径とみなす

より遠くでレーザー光を集中させるには、より大きなレンズを使い、波長の短い光を使えば良い事がわかります。ブルーレイディスクがより大容量になったのは、波長が短い青い光を使うために、ビームが絞ることができるから、同じ面積により多くの情報を記録できるからです。

レーザー兵器の場合、例えば 800nmの赤外レーザーを、直径1メートルのレンズで、100km先でどのくらい絞れるか?計算すると直径は約10cmとなることがわかります。これは理想的な光学系が出来た場合です。
宇宙空間から打ちあがってくるミサイルを撃ち落とすとしても、1000km以上の射程は必要だろうから、10mを超えるような大きなレンズと数百キロワットの大出力のレーザーでも、短時間で金属を溶かすほどのエネルギーを集中させることはできないだろう。
読売新聞の絵にあったような、艦船から上昇して行くミサイルを撃ち落とすことは、大気の影響も考えれば不可能だとわかります。

1997 年に有賀氏によって細いビーム径を保ちつつ,あたかも回折しないかのように長距離を伝搬させることが 可能な長距離伝搬非回折ビーム(LRNB:Long Range Nondiffracting Beam)が発見されています。これを利用すれば可能性はあるのではないかという話もありますが、後半に書いておきますが、大きなエネルギーを扱う光学系は熱での変形など考えると簡単ではありません。

2)大気の影響
天体望遠鏡など高倍率の望遠鏡で数キロから十数キロ離れた山や建物を見たことがある人も多いと思うが、ゆらゆら揺れて見えることがほとんどです。よほど条件がよくなければ止まって見えません。光が空気の密度の違いで真っすぐに進んでいないので起こる現象です。三脚にレーザー装置を固定して、数キロはなれたビルの壁にあてると一点に止まらずにゆらゆらと動くはずです。
また、大気にはチリもありますので、光が散乱します。雲が出れば遮断されますし、赤外線は可視光では透明に見えても、水蒸気で散乱、遮断されます。
ということで、地上の近く、大気中でレーザーを遠方に照射することは困難です。アメリがのレーザー兵器実験は、1km程度に近づいてきたゲリラなどを撃退するためであり、何キロも離れた目標を攻撃するためのものではないことは知られています。
(産経新聞には、あたかもミサイルに変わる攻撃兵器であるかのように書かれていましたが)

3)エネルギー/熱の問題
ミサイルや戦車を破壊するだけのエネルギーを照射するためには大きなエネルギーが必要です。たぶん、10~20km程度距離でも、物体を1秒程度で破壊するためには、500kWくらい必要になると考えられます。それだけの電源が必要になります。大型の発電機を搭載できる艦船なら電源の問題は無いでしょう。しかし、ドローンにレーザー兵器を積んでミサイルを撃ち落とせるような記事を書いている新聞記事もありますが、ジャンボジェットくらいのドローンが必要になるでしょう。それも数キロに近づかないと破壊できないでしょうから、敵のミサイル発射場のすぐ近くで待機させなければなりません。まったく現実出来ではありません。

大きなエネルギーのレーザー光はレンズやミラーなどの光学系で、相手を狙わないといけません。レンズやミラーは完全に透明ではありません。透過率が99.9%だとしても、0.1%のエネルギーがレンズやミラーに吸収されるのですから、光学系の温度上昇も大きいです。500kWのレーザー光を照射すると、99.9%は透過しても500Wで加熱されます。レンズやミラーは熱で変形して精度が悪くなります。レンズに傷や埃があると、そこが過熱されて破損します。先の書いたLRNBも通信用のレーザーは扱えても、兵器用となるとエネルギーが大きく変形量も多くなり実用にならない可能性もあります。

忘れてはいけないのは、レーザー装置の発熱です。500kWのレーザーを発射すると、同程度の500kWの熱が発生します。必要な電力は倍ですから瞬間でも1000kWの電力が流せる電源が必要になります。連続運転しない1発だけであれば冷却装置は不要ですが、連続運転する場合はレーザー発生装置の冷却装置が必要ですし、光学系も冷却しなければいけません。

4)機械的な限界
遠方でレーザー光を集中させるためには大型のレンズが必要で、しかも精度も必要です。レーザー光を通過させるため熱対策も必要になります。また、この光学系を精度よく動かす必要があります。非常に小さい動きでも遠方では大きな動きになります。距離が離れれば離れるほど精度が求められます。レンズやミラーそのものを作る技術も必要ですが、それらを支え動かす装置で、しかも艦船等に搭載するとなると振動や衝撃も受けますので、それらの対策も必要になります。

5)光は反射する
鏡に光は反射します。ピカピカの金属表面に光をあてると9割は反射して、熱として金属に吸収されるのは1割にしかなりません。レーザーのエネルギーの1割しか物体を溶かすためにしか使われず、反射してしまうことになります。真っ白にペイントしてあれば吸収される熱は3割です。レーザー兵器のレーザー波長を良く反射する部材や塗料でレーザー光の威力を弱めることができてしまいます。

以上のように、数百キロ先のミサイルの一点にレーザービームを当てて、破壊するということは、不可能だと言えます。物理の法則は変えられませんから、弾道ミサイルを撃ち落とすレーザー兵器が開発できると考えるのは、永久機関が出来ると信じているのに近い感じです。大手の新聞社が、お金をかければすぐにでも実現できそうな事を書いていますが、それはありえません。ましたて、ドローンにレーザ兵器を搭載して、ミサイルを破壊できるというのは、作り話の世界です。

この読売新聞の社説にドローンにレーザ兵器搭載でミサイルを落とす話がありますが、ありえないでしょう。

2018年8月4日土曜日

自由研究にOECD(経済協力開発機構)のデーターを使おう

新聞記事などに登場するOECD(経済協力開発機構)には、様々な統計データが掲載されています。例えば最近話題になっている、女性医師の割合の国別比較などが可能です。
ビジネスの様々な資料作りから、ファクトチェック、夏休みの自由研究まで、活用できます。
統計情報 https://stats.oecd.org/
主要な情報日本語ページ https://www.oecd.org/tokyo/statistics/

2018年7月9日月曜日

蓄電コストはが下がり、原発は無駄になる

世の中には、なぜか再生可能エネルギーを快く思わない人がいます。そして、必ず言う事は「太陽光も風力も出力が不安定で使い物にならない」である。実際、数が多ければ変動は小さくなるし、そもそも需要も大きく変動しているので日本の現状では大騒ぎするほどの事はない。
さて、今後さらに再エネを増やすために重要な技術は蓄電である。揚水発電なども蓄電の一つですが、場所も限られるので、今後大きく増やすことはできない。一方蓄電池は寿命が短くコストが高いという欠点がある。ただし、蓄電池での蓄電コストが高いのは今現在の話である。
蓄電池は自動車やドローン、携帯電話、など様々な目的のために、製造原価の削減とサイクル寿命の高寿命化を目指して今でも開発が続いている。一回の充電で1000kmを超えるような自動車ができれば儲かることが分かっているので、投資も増えているのでしょう。
同じコストの蓄電池でも寿命が倍になれば蓄電コストは半分で済む。蓄電コストはどのくらい下がっているだろうか?住宅用蓄電池はこの10年で半額以下、寿命も倍くらいに伸びているので、蓄電コストは10年で4分の1に下がっている。おおよそ5年で半分の計算になる。10年で4分の1、15年で8分の1、20年で16分の1の計算になる。
現在はまだ、1kWhあたり30円~50円くらいする。これが2040年ころには20分の1前後まで下がる可能性がある。1kWhあたり、1.5円~2.5円くらいになる。
太陽光発電の発電単価は7円/kWhくらいにはなるので、電力のコストは充電を含めても10円以下になる。
電力の分散化が進めば、中央集権型の電力のように長距離送電も不要になり、災害にも強くなる。途上国など電力が乏しい地域にもいっきに拡大できる。安い分散化電力が当たり前になるり、自動車もEV化が進むので、自動車も蓄電設備としての役割を兼ねるようになり、さらに蓄電が加速することになるだろう。それでも、今から原発新設など無駄な投資はやめたほうが良い。原発が40年の寿命を迎える前に、もっと安い電力で原発は無駄になるだろう。

2018年6月4日月曜日

日本は森林や農地を利用せずに、太陽光だけで電力をまかなう事ができるか?

蓄電コストが下がったら、日本は太陽光発電だけで電力はまかなえるか?
それも、森林や農地を破壊せずに実現きるか?

答えはNo


住宅地の10%で太陽光発電なら可能な値ではないだろうか?
日本の住宅地面積は111万ha、道路や学校、工業用地などは含まない。住宅地のうち約10%を太陽光発電に使えるとすると、10万ha以上になる。

1平方メートルあたりの平均発電量は一日あたり300Whくらい。
晴天率や太陽の角度によって発電量は異なるが、日中平均で一時間あたり25Wh発電できれば、一日平均で300Whくらいは発電できる計算です。

1haでは10000平方メートルだから、3000kWh/日になる。

さらに、10万ヘクタールでは
100,000×3,000kWhだから、300,000,000kWh/日になる。

年間に換算すると365倍して、1000億kWh/年



2017年9月4日月曜日

ミサイルが上昇中、燃焼が終わった時点で爆発した場合

北朝鮮が8月29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、もし上昇中、エンジンの燃焼が終わった高度200kmで爆発した場合、破片は日本に落ちてくるか、計算してみました。
結果は爆発した地点から約1500km以上先になりました。


上昇中のミサイル、爆発する直前のミサイルの上昇速度は毎秒2600m、水平速度は3600mとします。2600mは高度200kmからさらに約350km上昇できる速度です。
爆発でばらばらになったミサイルの破片は、マッハ3程度の秒速1000mで飛び散ったとします。
これは、前の投稿でも説明しています。

すると下向きに飛び散る破片は秒速2600m-1000mで、秒速1600mで上昇します。

秒速1600mのミサイルは高度をさらに130km上昇します。時間で約163秒、高度約330kmに達し落下がはじまります。330kmの高度から地上まで落下する時間は約259秒です。
合わせると、422秒、秒速3600mで水平移動していますから、

3600×422=1519200、約1519kmです。

では、水平速度と逆方向に飛び出した破片は、水平速度が秒速3600mから秒速1000m減るので、秒速2600mに速度が落ちます。上昇速度は失っていないので、約550kmまで到達しますので、地上に落下するまでの時間は、高度200kmから550kmまで上昇する時間265秒、高度550kmから落下する時間335秒、合計で600秒かかります。
秒速2600×600秒で、1560kmです。

下方、逆方向に飛び出した破片は、爆発した地点から1500km以上先に落下する計算になります。これを地図でみると、発射地点から1500kmですから、北海道には落下する計算になりました。


この計算は、爆発した時の速度をマッハ3くらいと、やや危険側で計算していますので、実際に爆発した場合は、1500kmよりも先に落ちると考えられます。爆発で飛び散る速度がマッハ2で後方に飛び出した破片で計算すると1750kmくらい先まで飛んでゆく計算になります。
特に質量が多い破片ほど、爆発による加速ができませんので、爆発しない場合の軌道に近いところを飛んでゆくと考えられます。




原発が止まって火力が増えたのは一時的

原発が止まって火力発電が増えたという言われていますが、どの程度増えたのか調べてみました。

総発電量の情報から確認を確認してみます。
http://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/

ここに、発電量の情報が出ています。割合で書かれているので、それぞれの電源別発電量を計算してみました。1パーセント未満の数値はまるめられているのでおおよその値です。
確認してみると、2007年の火力総発電量は約6700億kWh、2015年度は約7500億kWhです。2007年の火力発電量を100%とすると、2015年は112%、
12%しか増加していないことがわかりました。
最大でも2012年の24%増です。

この間GDPは増加していますので、経済成長していますから、家電機器の省エネ化、LED照明などによる省エネ化、多くの企業努力、産業構造の変化によって電力消費量が減っている事と、再生可能エネルギーが増えている事などで、原子力が無くても、火力発電の量が減ってきているものと思われます。

今後、高効率なコンバインドサイクルの火力の導入がさらに進み、更なる省エネも進み、再生可能エネルギーの拡大余地もありますので、2007年比で火力発電はさらに減らせる可能性があります。原発事故の後に、原子力が無いと火力発電の増加で大変な事になると大騒ぎしていましたが。当初考えていたよりも火力発電を増やさないで済んでいるということになります。

残念ながら2016年以降は電源別発電量が発表されないようなので、2016年はどうだったのか見つけることができませんでした。








2017年9月3日日曜日

550km上空を通過するミサイルが上空で爆発したら、落下物の危険はないか?

北朝鮮が8月29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、もしも、550km上空をマッハ10.5で通過中に爆発した場合、真下の日本の陸地に落下物は落ちてこないか?

爆発でばらばらになったミサイルの破片は、どんなに加速されても、マッハ2程度です。例えばライフル銃の弾丸は通常マッハ2から3程度と言われています。爆発は爆破時間が短く、広がる空間で、ライフルのような筒の中のようには加速できません。

さて、550km上空を、マッハ10.5で移動中の物体が爆発して、破片が真下にもしもマッハ3で飛び出したとします。(余裕をみて、マッハ2ではなく、マッハ3で計算してみます。)その物体が地上まで落下する時間は?

初速が1020m/秒加算された計算になります。
自由落下で1020m/秒に加速するための時間は、104秒、約53km落下後です。
t=v/g (v:速度、g重力加速度9.8m/s^2)
さらに53km上空から落下させたときの、落下の残り時間と同じです。
603km上空から地上までかかる時間は、350秒ですから残り時間は
350秒-104秒=246秒、
246秒後に地上に到達することになります。

落下距離から時間を求めるためには、
SQRT(2×h/g) h:高さ
です。

さて、
マッハ10.5、秒速3570mの物体が246秒進むと、約878km
約850km以上先に落下することになります。

重い破片ほど、爆発時に加速できないので、より遠くに飛ぶことになります。

では、後方にマッハ3で飛だした破片は、どうなるでしょう。
マッハ10.5-3=7.5
つまり、マッハ7.5に減速したことになります。
550kmを落下する時間は約335秒ですから、
0.34×7.5×335=約850000、850km先ということになります。

実際は、爆発で破片が飛び出す速度は、マッハ3までは到達しないと思われますので、真上で爆破しても、心配ないといえます。

では、次回は、上昇中について、考察してみます。

(もしも、計算ミスや勘違いがありましたら、コメントでご指摘ください。)


2017年9月1日金曜日

ミサイルの軌道を描いてみた

北朝鮮が8月29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、Jアラートで、テレビ放送では日本の上空を通過した時間になっても非難を呼びかけていました。本当に北海道から長野まで落下する可能性があったのだろうか?また、何分間も非難を呼びかける必要があったのだろうか?

そこで、おおよそ計算してみました。
最初燃焼時間がわからなかったのですが、報道によると、151秒とわかりました。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20170830-OYT1T50071.html
そこで、
空気抵抗が無いとして計算してみました。151秒間(2分半)燃焼すると、
燃焼終了時の高度は198km

そのときの上昇速度は2626m/sec
そうすると慣性で550kmまで上れます。
約1/3まではロケットで上昇し、残りは慣性で上昇します。
ロケットの垂直方向の加速度は17.4m/s^2で、この高度まで上昇してきたといえます。

水平方向の加速度は約25
m/s^2で、この位置まで加速してきた計算になります。
水平方向約300kmあたりで燃焼終了、水平方向秒速3576m、水平方向マッハ10.5
(垂直方向の速度とあわせて、燃焼終了時は最高速度マッハ13少し)

総飛翔時間は754秒、約13分
遠心力やコリオリ力は無視しているが、それほど大きく差は無いと思う。

燃焼が終了した高度では空気抵抗がほとんどない人工衛星が飛ぶ高度以上、向きと速度が観測できれば着弾地点がわかるはず。3分後には着弾地点は計算できて、日本に落ちる可能性が無いことを判断できたと思います。

簡易的ですが、グラフに描くと、こんな感じというのがよくわかりますね。燃焼時間は、思っていたより短いと感じます。
実際は地球はまるいのですが、地面を平らとしてあらわしてあります。
高度と距離の比が等しくなるようにグラフを描きました。
















燃焼していた距離を地図でみると発射された場所から
300kmと、半島にかなり近い位置であることがわかる
自動代替テキストはありません。

2017年8月28日月曜日

電気自動車が普及すると、発電所が沢山必要になるのか?

電気自動車が普及したら、どの程度の発電所を追加する必要があるか?

100万台で100基とかウソっぽい計算をする人がいましたので、自分で計算してみることにしました。

運送用の大型貨物車(トラック)のEV化は、今後どうなるかわからないので、まずは、乗用車だけで計算してみましょう。
日本の乗用車の台数は、約5000万台です。また、1台あたりの平均の年間走行距離は、10575kmだそうです。
365日で割ると、一日の平均走行距離は29kmです。
電気自動車の電費は、車種によっていろいろになりますが、5km/kWh程度とします。
(調べると4~10km/kWhなので、少し悪い数値を使って、5km/kWhとしました。日産リーフは1kWhあたり10kmと言われていますので、その倍の電力を想定しています。)


そうすると、一台の平均は5.8kWh/台・日の電力消費量になります。
充放電の損失も考えて、6kWhとして計算しましょう、5千万台だと、合計で3億kWh/日です。
24時間で割ると、平均1250万キロワットの発電量が余計に必要になります。原発12~15基分くらいの発電所を増やさないと供給できない数値です。
これを年間で計算してみましょう。年間365日で、1095億kWh/年です。
現在の年間電力需要は1兆kWh/年よりやや少ない程度ですから、総需要が10%強伸びる程度です。
実際の電力需要は、照明をはじめとして省エネが進んでいますので、総需要は2007年をピークにすでに、10%くらいは減っています。さらに減ることが予想できます。今後、再生可能エネルギーによる発電もさらに拡大しますので、一般の乗用車が全てEVになっても、発電所の数は増やさなくても足りそうです。また、駐車している時間の長い一般の乗用車は再生可能エネルギーの発電量によって、充電電流を制御する事も可能で、再生可能エネルギーの調整の役割も可能であり、再生可能エネルギーとの親和性も高いといえます。

電気自動車の普及で、発電所をたくさん増やさないといけないというのは誤解です。

参考資料自動車の台数と走行距離
http://www.mlit.go.jp/jidosha/iinkai/seibi/5th/5-2.pdf

電力需要
http://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/

リーフの燃費
https://ev1.nissan.co.jp/LEAF/RORA/QUESTIONS/DETAIL/399





2017年8月8日火曜日

日本の自動車メーカーはどこに向かうのか?将来の車のスタイル

 トヨタ自動車とマツダは2017年8月4日、業務資本提携に関する合意書を締結したと発表した。彼らは何を目指すのだろうか?日本の自動車産業はどこで諸外国の競合と戦うのだろう?トヨタは今でも水素自動車の宣伝をやっているが、水素ステーションという高コストで扱いにくいインフラを全世界、津々浦々まで設置するなどありえない。そうなる主流はやはり電気自動車、EVのはずだ。

 私個人の見解としては、将来、車は大きく3つのスタイルに分かれる考えている。 1つ目は、アメリカなど大陸先進国スタイル、テスラが目指しているような電気自動車だ。住宅や職場が分散しており、車が生活必需品で、毎日100km以上走る車が多い人たちに向けた自動車だ。ステータスや趣味の要素も残ると考えられる。高速道路では早期に自動運転が導入されるであろう。ここでは、一回の充電での後続距離を要求される、大きめの車が望まれる。もちろん、家庭や職場の駐車場でも充電できるものが望まれる。


 2つ目は都市型、大都市では交通網が発達している一方で駐車場もコストがかかる。そこではカーシェアが普及する可能性がある。特にヨーロッパの都市やシンガポールなどではタクシーにとって代わり、自動運転化やコモディティー化が進むであろう。都市部で効率的に走行させるため、小型な車が主流になる。


 3つめは途上国型、二輪車の延長、途上国では今でもバイクに家族で乗っている姿を見る。荷物の運搬にはロバやラバを使っているところがある。これらの置き換えだ。移動距離は30kmくらいで生活に必要な道具である。スピードは不要、安価で省エネ、家庭用コンセントや数枚の太陽光発電で充電できるくらいの車である。ガソリン1リットルの価格が一日の日当より高い地域では先進国のような車は持てないし、もし中古の車を購入できてもガソリンが購入できない。そこで、コストが30~40万円程度、乗り心地は多少悪くても安価で実用になるEVが好まれるであろう。


 さて、この3つのスタイルのうち、日本のメーカーが狙うのはどこだろうか?アメリカに乗り込んでテスラなどと競争するのか?2つ目のカーシェアは市場としては大きくなる可能性がある。これはカーシェアビジネスと組んで進めるか、メーカー自ら取り組むかであるが、日本のメーカーは取り組みが進んでいない。3ついては、日本のベンチャー、テラモーターズなどが狙っている、市場は大きいが、技術的な参入障壁が低そうなので、どこで差別化するかは難しい。


 今年はヨーロッパなので内燃機関の車を廃止する動きが始まり、自動車メーカーは大きな岐路に立たされている。車載情報機器などと言っているが、極端な話、スマートフォンを持ち込めば済むようなシステムにわざわざお金を出すとは思えない。個性や走りなど、モーターの制御でガソリンエンジンなどと比較すると簡単に調整できてしまう。どこで差別化するのだろうか。
 一つだ
け言えることは、自動車にとって、更なる省エネ、死亡事故ゼロ化などの安全性、盗難防止、省スペースなど、多くのやるべき課題が残っている。電気自動車であれば蓄電池の性能向上。これらの基本的な課題に愚直に取り組むメーカーが最後に残るような気がする。自動車メーカーやその傘下の方々、日本の自動車産業はどこに向かうべきか、あちこちで議論して、斜陽産業とならないようにしてほしい。