2017年9月4日月曜日

ミサイルが上昇中、燃焼が終わった時点で爆発した場合

北朝鮮が8月29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、もし上昇中、エンジンの燃焼が終わった高度200kmで爆発した場合、破片は日本に落ちてくるか、計算してみました。
結果は爆発した地点から約1500km以上先になりました。


上昇中のミサイル、爆発する直前のミサイルの上昇速度は毎秒2600m、水平速度は3600mとします。2600mは高度200kmからさらに約350km上昇できる速度です。
爆発でばらばらになったミサイルの破片は、マッハ3程度の秒速1000mで飛び散ったとします。
これは、前の投稿でも説明しています。

すると下向きに飛び散る破片は秒速2600m-1000mで、秒速1600mで上昇します。

秒速1600mのミサイルは高度をさらに130km上昇します。時間で約163秒、高度約330kmに達し落下がはじまります。330kmの高度から地上まで落下する時間は約259秒です。
合わせると、422秒、秒速3600mで水平移動していますから、

3600×422=1519200、約1519kmです。

では、水平速度と逆方向に飛び出した破片は、水平速度が秒速3600mから秒速1000m減るので、秒速2600mに速度が落ちます。上昇速度は失っていないので、約550kmまで到達しますので、地上に落下するまでの時間は、高度200kmから550kmまで上昇する時間265秒、高度550kmから落下する時間335秒、合計で600秒かかります。
秒速2600×600秒で、1560kmです。

下方、逆方向に飛び出した破片は、爆発した地点から1500km以上先に落下する計算になります。これを地図でみると、発射地点から1500kmですから、北海道には落下する計算になりました。


この計算は、爆発した時の速度をマッハ3くらいと、やや危険側で計算していますので、実際に爆発した場合は、1500kmよりも先に落ちると考えられます。爆発で飛び散る速度がマッハ2で後方に飛び出した破片で計算すると1750kmくらい先まで飛んでゆく計算になります。
特に質量が多い破片ほど、爆発による加速ができませんので、爆発しない場合の軌道に近いところを飛んでゆくと考えられます。




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