2014年3月30日日曜日

東京スカイツリーから電波はどこまで届くか

短波などは電離層に反射して遠くまで届くが、テレビ放送に使われているUHFは通常、直接しか届かない。
地球は丸いので、地平線の向こうには届かないと考える。
計算は絵を書いてみると簡単だ。

地上から約600メートルから電波が出ているとして、式に当てはめるとどこまで届くかが計算できる。計算結果は87km。実際は受信側もある程度の高さにアンテナをつけるので、スカイツリーからは建物や山などの影にならないかぎり約100km距離まで電波が届くと計算できる。
富士山の頂上から電波を出すとどこまで届くか?計算してみてください。


途上国向けの照明

途上国で、家の奥など暗い場所に日中明かりをとるために、ペットボトルを用いた照明が使われている。残念なことに夜は真っ暗だ。日中、太陽電池で充電しておき、夜のあかりとする方法があるが、小さい太陽電池を屋根の上に置くと故障や盗難の危険性もある。
そこで、ペットボトルと太陽電池充電を併用したものを考えてみた。大きな電力は充電できないが、小さなLEDを1~2個点灯するには十分だ。小さなLEDでも部屋の中を動き回るくらいには十分な明るさを得られる。単三型のニッケル水素電池も100円程度で手に入る時代なので、そこそこ使えるかもしれない。

新しい輸送手段の提案 パイプの中を走るパケット

日本の輸送は、長距離輸送もトラック輸送が主流だが、一台一台のトラックか化石燃料を使い、鉄度などと比較すると非常にエネルギー効率も悪く、大量の二酸化炭素を排出している。すべてのトラックは人が運転していてコストもかかるが、鉄道はエネルギー効率は良いが、積み下ろしに手間と時間がかかるのか敬遠されている。

そこで提案するのが、チューブの中を走る自走車両、車両というよりもパケットと考えたほうが良い。大きな荷物を想定しなければ、ある程度小さい車両で済む、チューブの直径は1mくらいでどうだろう。

チューブの中を走るときは、レールの上を走る、電力はレールからとる。パケットは前後のパケットと制御をとりながら走行する。万が一、モーターが故障しても、後ろの車両が押して走れば、走行を続けられる。

分岐点や倉庫に到着するとレールから降りて、タイヤで自走して所定の位置に移動する。そのまま保管も可能だし、トラックにも乗り込むことができる。
チューブの中を走るときは、レールの上を走る
レールから電気をとって走る

倉庫や分岐点ではタイヤで走る
短距離なので蓄電池の電気を使う

2014年3月21日金曜日

1kWhあたりの火力発電の燃料費

火力発電の燃料費が上がっているというがいったい、いくらになっているのだろう?
1kWhあたりで計算するとわかりやすい。

2010年、2011年、2012年の火力総発電量と燃料費を比較するとわかりやすい。
電力10社合計の総発電量、総燃料費をならべてみるとわかります

      総発電量   火力総発電量  火力燃料費   1kWhあたり火力燃料費
2010年  10064億kWh  6209億kWh  3,661,695百万円   5.897円/kWh
2011年  9550億kWh  7535億kWh  5,949,196百万円   7.895円/kWh
2012年  9408億kWh  8307億kWh  7,079,569百万円   8.522円/kWh

2012年は2010年よりも1kWhあたり、2.6円以上も燃料費がかかっています。

もし、2010年と同じ燃料費で2012年の火力発電できていれば、
5.897×8307億=4,898,969M円で済んだはずです。
差は7,079,569M円-4,898,969M円=2,180,600M円も余計にかかってしまったのです。
理由は効率の悪い火力発電の使用、燃料費の値上がり、円安です。これで、二兆円以上余計にかかってしまっています。2012年、原発停止分を火力増加分として計算してみると、どうでしょうか?(8307-6209)億kWh×5.897円/億kWh=1,237,191M円で済んだはずです。

この燃料費の上昇が大きいのか小さいのか、家庭用の電気代で考えてみるとわかりやすくなります。家庭用の電気代は契約にもよりますが、kWhあたり25円くらい請求されているのではないかと思います。詳細は電力会社のホームページなどに掲載されていますが、もし、この燃料費をそのまま上乗せされると、各家庭の負担はどのくらいアップするでしょうか?
月に300kWh使う家庭で、2.6円×300=780円アップになります。
アップ分は電気代で約30kWh分くらいのお値段になります。
ということは、10%の電力を節約できれば、値上がり分を吸収できる計算になります。もともと家庭用の電気代単価は高いので、びっくりするほどの値上がりにはならないのでしょう。
我が家の場合は、テレビや照明の買い替えなどで、2012年は2010年比で30%くらいの節電に成功しましたので、値上がり分以上に電気代の節約ができています。家庭用では家電の省エネなどが急速に進んだので、意識しなくても節電が進んでいますので、それほど大きな影響は無いと言っても良いでしょう。


情報の出処は
http://www.fepc.or.jp/about_us/pr/sonota/__icsFiles/afieldfile/2013/05/17/kouseihi_2012.pdf

http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/keizai_prism/backnumber/h25pdf/201311901.pdf




2014年3月18日火曜日

家庭の節電は確実に進んでいる

「東日本大震災、福島原発事故で節電が進んだ」とおっしゃる人もいらっしゃいますが、実際は効率の良くなった家電製品の影響も大きいと思います。例えば、冷蔵庫は真空断熱材等の活用などによりこの10年でかなり改善が進んでいます。LED照明はコストも下がりすっかり普及しました。それだけでも、数パーセント改善出来ているはずです。一般家庭での電力使用量は2007年ころをピークに下がりはじめていると思います。
ぜひ、自分の家の電力使用量を比較してみて下さい。

原発なくても二酸化炭素排出量は削減できる

日本の火力発電の効率はどのくらいだろうか?
東電などに情報が出ているが、2006年度で43.2%と出ています。

東電に掲載されている情報はhttp://www.tepco.co.jp/torikumi/thermal/images/fire_electro_efficiency.pdf


試しに、他の情報で計算してみましょう。
資源エネルギー庁の情報などを見ると、日本の化石燃料がどのくらい発電に使われたかわかります。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/

2011年の情報を見ると
2011年に発電に使われた化石燃料は熱量で表すと
天然ガス 2975×10^15 J (ジュール)
原油    456×10^15 J 
石炭    1981×10^15 J 
合計  5412×10^15 J

化石燃料による2011年の発電量は、8574億kWh(キロワット時)の79.1% = 6782億kWh
( 1kWh = 3.6×10^6 J)
これをジュールにすると、2442×10^15 J

発電量÷投入された化石燃料=効率ということですから
2442÷5412=約0.45 =45%

さて、これを全て最新の高効率な火力に置き換えるとどうなるでしょうか?
天然ガスコンバインド発電では上記の東電に掲載されている情報でも60%を超えています。
石炭ガス化コンバインド発電も55%程度の効率が出ます。
これで、2011年を計算してみます。原油は石炭に置き換えて計算すると、
2975×0.6+(456+1981)×0.55=3125×10^15 J 
です。kWhに換算すると
8682億kWh 
と、2011年の発電量を超えます。
水力や原子力が無かったとしても火力だけで同じ以上の電力が得られた計算になります。

つまり、現状の火力を、全てを高効率な火力に置き換えることが出来れば、同じ化石燃料の量で、1.3倍以上の発電量を得られるということになります。原子力が無くても福島原発事故の前、3割程度の原子力発電は不要でも済むことになります。火力でも高効率にすることで、現状の7割程度の化石燃料で済むため原発なしでも済む計算になります。

現在の原子力発電は発電量の調整が難しいため、不要な時でも発電を続けてしまうため、調整電力としての役割には使いにくい電源です。太陽光や風力発電は化石燃料を使わずに済むので、コストさえ下がれば資源の無い日本に有益なエネルギー源ですが、変動があるため調整電力が必要になります。原子力と比較すると調整しやすい火力の方が太陽光や風力発電とは相性が良いことになります。

原子力を極力減らすと言いながら使い続ければ、処理方法の決まっていない放射性廃棄物は増え続け、事故のリスクもつきまといます。それくらいなら、高効率火力+再生可能エネルギーの拡大というほうが現実的だと思います。


2014年3月8日土曜日

甲種危険物取扱者 取得までの手順

危険物取扱者は、ガソリンスタンドなどに必要な資格として、「乙4」と呼ばれる、「第4類乙種危険物取扱者」は受験者も多く、高校生なども受験しているポピュラーな資格です。

すべての危険物を取り扱える資格として 「甲種危険物取扱者」があります。ところが、受験資格が必要で、化学系の大学出身者等でないと、いきなり「甲種」を受験することができない。
ただし、受験資格を調べてみると、乙種で1類か6類、2類か4類、3類、5類、の4種類の乙種の資格を取得していれば、甲種の受験資格が得られることがわかります。

【まずは、乙4から取得】
そこで、まず乙4類を受験しました。
試験科目は
・危険物に関する法令
・物理学及び化学
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
それぞれ、60%以上正解で合格です。
物理化学の基礎が分かっていれば3日間くらい頑張れば覚えられる量です。
問題集を購入してきてやっておけば十分合格できる、比較的簡単な資格だと思います。

【次に、甲種の受験資格を得る】
乙4類に合格したら、次は、乙3類、5類、6類を受験します。
同時に3つの資格を受験することができます。6類の代わりに1類を受験しても良いのですが、物質の数が少ないので6類の方が簡単です。
乙類は一つ持っていれば、法令と物理化学の科目免除になりますので、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」だけ受験することになります。
参考書や問題集は、4類を除いた1、2、3、5、6類が一緒になったものが売っています。

比較的安い参考書は、
チャレンジライセンス 乙種1・2・3・5・6類危険物取扱者テキスト
乙3類、5類、6類に合格できれば、乙4類を合わせて、甲種の受験資格が得られます。

【いよいよ甲種受験】
甲種の受験では、3科目とも受験して、やはり、それぞれ60%以上の正解が必要です。
参考書は、甲種の参考書を買わなくても、乙種の参考書を使えば十分です。問題の数が違いますが、受験してみた感じでは「法令」も「物理化学」も乙種とほとんど同じレベルだと感じました。

危険物の性質は全て覚えないといけませんので、1類~6類まで頑張って覚えてください。と言っても、60点で合格ですから、全部覚えきれなくても大丈夫です。3、4、5、6類はすでに乙種の勉強で一度覚えていますので、続けて受験していれば、それほど負担にはなりません。問題に出る物質は、1~6類までの約120くらいありますが、「性質・消火」は20問出で12問正解すれば合格です。5択問題ですので、半分わかれば、残りはわからなくても20%の確率で当たる可能性があります。4類が多めに出る傾向がある様なので、4類は完璧に覚えて、残りは50%くらい覚えておけば、十分合格できると思います。
乙3、4、5、6類で受験資格を得る人が多いので、1類と2類の危険物を覚えていないと不合格になる可能性も高いので、要注意です。1類と2類で特に特徴のある物質はよく覚えておくべきだと思います。

神奈川県等では年に4回試験が行われていますので、約半年あれば甲種まで取得できます。