2013年7月11日木曜日

省エネ技術加速中

今日は、記録的な暑さが出るほどの猛暑の一日でしたが、東京電力管内でピーク時供給力に対して91%程度の5000万キロワットをちょっと超えた程度で済んだ様だ。3.11東日本大震災前の消費電力だったら、ピーク電力は6000万キロワットを超えていたことだろう。
これは、冷蔵庫などの家電、照明のLED化、複写機やプリンターなどの事務機器の省エネ化、PCからタブレット、ネットワーク商品の省エネ化、自動販売機の省エネ化、電車などの省エネ化、など様々な機器の省エネが進んでいる他、高断熱住宅など冷房効率の良い家も徐々に増えているなど、様々な分野の小さな努力が省エネ化を加速しているからだ。
この数年で、東京電力管内だけでも、100万キロワットの原発10基分の1000万キロワットは削減されているに違いない。最初は我慢の節電が多かったが、知恵と工夫で徐々に良くなっていると思われる。
特に日本は、切羽詰まってから強いと思う。電気代が値上がりすれば、その分くらいは取り戻そうと、様々なアイデアが出てきて実行される。これぞ、日本の底時からだと思う。

頑張れ日本の技術者、省エネ技術はまだまだ色々とあるはずです。まだまだ加速できます。



2013年7月11日の電力状況

2013年7月6日土曜日

原発推進派と原発反対派の意見

原発について、3.11以来いろいろな意見が出ていますが、フェースブックやツイッターなどで出てきた賛否を意見を表にまとめてみました。

原子力というと安全性までに目を向けてしまうし、安全性の議論ばかりになっていると感じます。マスコミも政治家も、原発稼働の是非については安全性の議論だけで、本当に将来に大きな影響を与え続け重要な問題の、「増え続ける使用済核燃料は今後どうするのか?」、「再処理したプルトニウムはどうするのか?」については、議論が起こらないように、避けている人が多いのかもしれません。

参議院選挙では、あえてエネルギー政策や原子力について明確にしない候補者が多いように感じます。原子力を推進したいなどと言うと反発されるからでしょう。


2013年7月5日金曜日

日本経済が停滞している原因=経営者の安全志向

日本企業がイマイチ元気が無い理由、会社が元気がなくなるのは、従業員のせいじゃない。社長や役員がダメだからだと思う。

社長や役員が部下に判断材料の証拠集めばかりさせ、判断に躊躇している間に、海外の企業はどんどん進めてしまい、競争に負けているという事が多くなっているのではないかと感じる。欧米的なやり方を真似して、実は欧米よりも競争力を落としている。そんな感じがする。

ロジカル、科学的思考、成功への証拠集め、もちろんある程度は必要だろうけれど、安全志向でスピードについてゆけない。より安全に考えれば考えるほど時間も人でもかかってしまう。競争しているのだから時間が勝負で、十分な情報が無いままでも判断が必要になることがあるはず。また、自分が社長の間に、不祥事が起こっては困ると、コンプライアンスも必要以上にリソースをつぎ込んでいる可能性もある。

勘だけの博打経営では困るが、日本の企業に求められているのは、限られた情報と時間の中でのトップの判断力と判断のスピードだと思う。

2013年7月4日木曜日

ピークシフト自動販売機

先日、清涼飲料水のピークシフト販売機について聞く機会がありました。
日本コカコーラのピークシフト自動販売機富士電機との共同開発で今年から設置が始まった。6月末時点ですでに、15000台設置されたそうだ。冷却コンプレッサーが動くのは夜の11時から朝の7時まで、朝7時から夜11までの16時間はコンプレッサーは動かない。日中の電力使用量が多い時間帯は制御用の電力十数ワットで済んでしまう優れものです。

開発がスタートしたのは、3.11の後、夏を迎えるころ、自動販売機が電力消費量の悪者扱いされてから、一年後の2012年の夏にはフィールドテストが実施されるというスピード開発されています。

自動販売機は電力消費の悪者扱いされていますが、すでに、この10年くらいの間に消費電力量は6分の1以下に下げられています。無駄に冷やさず、販売機に入っている商品の3割程度を冷やして残りは冷やさないようにするなどして電力消費量を少なくしてきたそうです。今回は逆に、夜中にまとめて全ての商品を冷やし、清涼飲料水そのものも冷却剤として機能させ、真空断熱材や商品取り出し口の工夫などで、16時間という長い時間、暑い屋外に設置されても十分冷たく飲みごろの温度に保たれる自動販売機を実現させたとの事です。オフィスの中に置いても、日中はコンプレッサーが動かないので静かですし、排熱も無いので、日中の冷房への負担も少ないです。

全国、全ての清涼飲料水の自動販売機は200万台以上あるそうですが、もしも、将来、全ての自動販売機が、ピークシフト販売機に置き換えられたとすると、仮に日中250W節電できるとすると、0.25kW×200万=50万kWもピーク電力を抑えることができるわけです。日中のピークのために必要な発電所を50万kW分作ったのと同じ事になります。これは、すごいですね。
特別ハイテク技術を使っているわけではありませんが、開発した方々の知恵と工夫と、地道な努力で実現したものと思います。こういう分野は日本が得意とするところだと思います。様々な分野で、省エネやピークシフトなどの技術が進めば、世界中に売り込む事も可能だと思います。
多くの企業で、このような取り組みを進めれば、省エネで世界をリードできるはずです。技術者のみなさん、負けずに頑張りましょう。


参考情報 米倉誠一郎氏のコメント

2013年7月2日火曜日

「熱線吸収ガラス」に注意

通勤中の電車で、ドアの上にあるポスターを見ていると、「熱線吸収、UVカットガラス採用」と書かれていました。UVカットというのはUVを反射させているという意味もあるかもしれませんが、「熱線」つまり「赤外線」を吸収するという意味です。ガラスが赤外線を吸収すれば当然エネルギーを吸収しますから、ガラスの温度は上昇します。窓ガラスの温度が上がればガラスから熱が放出されますので、室内の空気を暖めることになります。表現の問題かもしれませんが、吸収と反射では意味が違いますので、熱の遮断を考えるときには十分注意する必要があります。

太陽光線の遮断で良く誤解されることがありますが、強い西日が当たって暑いから、窓ガラスで赤外線を遮断すると効果があると言われますが、確かに赤外線が室内に入ってこないようにすれば効果がありますが、可視光線でも物は温まります。太陽光線は圧倒的に可視光線が強いですから、赤外線をいくら遮断しても強力な可視光線が入ってきたら室内の温度は上昇します。可視光線を吸収するものを窓ガラスにすると、ガラスが温まり、そこから赤外線が出たり、熱伝導で空気を暖めてしまいます。窓の内側に黒いカーテンを設置するとカーテンが可視光線を吸収してカーテンの温度が上がってしまいます。

ということで、直射日光で室内が暑くなってしまうのを防止するためには、窓ガラスで光を出来るだけ反射させてしまうこと、カーテンは光が反射しやすい色にすること、光を遮断するならば内側よりも外側で遮るほうが良いです。

暑い夏、冷房効果を高める工夫は、科学的に実行しましょう。

ゼロの付く日は、テレビゼロの日

NRIの提言にもあるように、テレビ、特に大型の液晶テレビの消費電力量は大きいです。最近の機種は省エネが進んだとはいえ、売れ筋の42Vで、100W程度はあります。リビングで使うようなLED電球は8W程度ですので、LED電球10個分以上にもなります。
テレビが100Wの消費電力はすべて熱に変わり、室内を暖めてしまうので、もし、エアコンをかけならが100Wのテレビを見ていると、テレビによる発熱量分もエアコンが冷却することになります。100Wの発熱を冷やすために、ヒートポンプで効率が良いと言っても30W程度の消費電力となります。合わせると、130W程度、LED電球を15個も使っている計算になります。
各電力会社も夏のピーク電力削減に向けて節電の呼びかけをしていますが、なぜかテレビを消そうというメッセージはほとんど書かれていません。設定温度を高めにして暑さを我慢するよりも、テレビを消したほうが健康的です。ラジオならば、1Wの消費電力で十分です。テレビを見ないで家族で会話、読書、音楽鑑賞、趣味など有意義な時間に使うことができます。
テレビでは絶対に呼びかけない話題ですが、この夏から、「0(ゼロ)の付く日は、テレビゼロの日」を呼びかけ定着させませんか?
無理に一日中テレビを消す必要はありません。いつもより、30分テレビを見る時間を減らしましょうという運動です。