先日、清涼飲料水のピークシフト販売機について聞く機会がありました。
日本コカコーラのピークシフト自動販売機、富士電機との共同開発で今年から設置が始まった。6月末時点ですでに、15000台設置されたそうだ。冷却コンプレッサーが動くのは夜の11時から朝の7時まで、朝7時から夜11までの16時間はコンプレッサーは動かない。日中の電力使用量が多い時間帯は制御用の電力十数ワットで済んでしまう優れものです。
開発がスタートしたのは、3.11の後、夏を迎えるころ、自動販売機が電力消費量の悪者扱いされてから、一年後の2012年の夏にはフィールドテストが実施されるというスピード開発されています。
自動販売機は電力消費の悪者扱いされていますが、すでに、この10年くらいの間に消費電力量は6分の1以下に下げられています。無駄に冷やさず、販売機に入っている商品の3割程度を冷やして残りは冷やさないようにするなどして電力消費量を少なくしてきたそうです。今回は逆に、夜中にまとめて全ての商品を冷やし、清涼飲料水そのものも冷却剤として機能させ、真空断熱材や商品取り出し口の工夫などで、16時間という長い時間、暑い屋外に設置されても十分冷たく飲みごろの温度に保たれる自動販売機を実現させたとの事です。オフィスの中に置いても、日中はコンプレッサーが動かないので静かですし、排熱も無いので、日中の冷房への負担も少ないです。
全国、全ての清涼飲料水の自動販売機は200万台以上あるそうですが、もしも、将来、全ての自動販売機が、ピークシフト販売機に置き換えられたとすると、仮に日中250W節電できるとすると、0.25kW×200万=50万kWもピーク電力を抑えることができるわけです。日中のピークのために必要な発電所を50万kW分作ったのと同じ事になります。これは、すごいですね。
特別ハイテク技術を使っているわけではありませんが、開発した方々の知恵と工夫と、地道な努力で実現したものと思います。こういう分野は日本が得意とするところだと思います。様々な分野で、省エネやピークシフトなどの技術が進めば、世界中に売り込む事も可能だと思います。
多くの企業で、このような取り組みを進めれば、省エネで世界をリードできるはずです。技術者のみなさん、負けずに頑張りましょう。
参考情報 米倉誠一郎氏のコメント
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