2015年3月11日水曜日

安全設計、事故防止の考え方

この記事、ちょっと疑問がある。
http://www.sankei.com/column/news/150226/clm1502260001-n1.html


リスクを取りに行くと言っても、ヤマ勘、バクチではない。
安全性、事故防止を考えるなら、事故の可能性を全てリストアップしておいて、判断するもの。「設計値を超えた地震は起こらないだろう」、とか、今の原発推進を考えている人たちは、都合が悪いことは「想定外」としまっている様だ。

科学的に分析すれば、「想定外」はほとんどなくすことができるはずです。そのための手法にFMEAなどがありますが、「想定外をほぼ無くすことができる」という主張は都合がわるいのでしょう。

どんな事故や故障があるかを想定しておいて、「これ以上対策すると経済的に見あわないから、無視してやりましょう」というならわかるけど、そういう事を何も言わずに、「リスクをとれ」って、精神論と竹やりで戦争をやるようなものです。

たぶん、こういう記事を書く人たちは、何らかの根拠があるのだろうけれど、きちっと数字で確率と経済性などを比較して、説明すべきだと思います。

原子力に関して言えば、素人でも想定できるのは、「ミサイル攻撃」で、その対策は最低限必要だと思う。政府も某国のミサイル攻撃に対応するための防衛力を強化している。その一方で、ミサイル攻撃のリスクを原子力にあてはめないというのはお粗末な話である。

PDCA経営って大丈夫?

「経営は、Plan(計画)→Do(行動)→Check(点検)→Action(改善)の繰り返しで、このPDCAサイクル(経営サイクル)を日々回し続けていくことが重要」
という話を聞いたことがあるかもしれませんが、経営ですから失敗したら、はいおしまい。それから先は無いということも考えなければいけません。失敗してはいけない、一発勝負の経営判断にはPDCAなど言っていたら、
Plan(計画)→Do(行動)→Check(点検)→Bankurpt(倒産)
になってしまいます。
原発など、一たび事故が起こったら重大な影響がでるようなことに、失敗したから、改善しましょうは通用しません。「福島第一原発では、津波が想定外に大きかったので、全国の原発の堤防を見直しました。」など起こってはいけない事です。基準の見直しなどが起こらないようにする必要があります。
人、物、金をつぎ込まないような改善レベルの業務にはPDCAは重要だと思いますが、会社が傾くような経営判断、投資、商品開発、土木建設工事、重大事故の防止などにPDCAは適用できないと考えるべきでしょう。
時々、企業の方針や政府の広報などを見ると、PDCAを回して改善してますと書かれていることがありますが、本当にそれでよいのか、考える必要があると思います。

2015年3月9日月曜日

「想定外」なんて言うのは専門家か?

福島第一原発の事故、津波が「想定外」という事だが、専門家が知恵を絞った結果の「想定外」というのは信じられない。普通、メーカーで品質や安全に取り組んできた人たちは、常に「想定外」を無くす努力をしている。
原発再稼働の動きや意見があるが、都合が悪いことは、みな「想定外」にしたいようだ。原発はひとたび事故を起こせば大きな被害が出る。もし、某国からのミサイル攻撃で破壊されれば、居住できない地域が半径20~30キロでは済まず、複数の都道府県に住めなくなるリスクがある。

素人でも、隕石や、火山の大噴火、ミサイル攻撃や航空機の墜落なども想定できる。確率は非常に小さいかもしれないが、想定できる。想定したうえで、確率が著しく低いとか、コストがかかるから対応しないとか決めたら良いことだ、最初から無いことにしてしまうのは、無謀である。

リスクを恐れずというなら、数字で議論すべきである。いろいろ原発肯定の意見が出ているが、とても科学的とは思えない。科学的というならFMEAとかFTAで示して説明すべきだと思う。ミサイル攻撃などは、政府も警戒して、迎撃などを強化しているのですから、大津波がくるよりも確率は高いのではないか?

http://ieei.or.jp/2014/12/sawa-akihiro-blog141211/
など、問題をすりかえている感じがする。専門家なら科学的に分析して、書いてほしい。

2015年3月7日土曜日

企業における「目標」とは

企業の中で、経営トップの言う「経営目標」から、QCサークル(最近では流行っていないと思うが)の「目標設定」まで、色々なところに「目標」という言葉が出てくるが、落ち着いて良く考えてみる必要がある。

例えば「来年度は、売り上げを二倍にすることを目標にしよう」と社長が言ったとします。何の根拠もなければ、それば「願望」です。あるいは「ノルマ」。その「目標」を達成できる根拠もないままで事業計画をたてて進める事が出来ないことは、誰でもわかると思います。
「目標」=「何をどうやったら、結果がどうなるかが客観的に評価できていること。」
と定義してみるとどうでしょうか?

日々の業務の中で出てくる目標や目標値、ちょっと冷静に考え直してみると、経営者の願望、上司が根拠もなく展開したノルマ、お客様の要望、ニーズ、競合との比較で出てきた数字、などで、地に足がついていない、達成できる確証がえられないような事だったりします。
「競合に勝つためには、こういう製品を開発して、こんな値段で売らないといけません。」と言っても、資金も人材もアイデアもなければ、できない話です。


企業活動は博打ではありません。企業が目標達成するためには、何をどうやったらできるか?どんなリスクがあって、それに対してどんな冗長性を持たせてあるかなど、ちゃんと作戦ができている事だと思います。

「それじゃあ、冒険ができないじゃないか?新しい事ができないよ。」という話もあります。それは、会社がつぶれない範囲でトライアルは許されるわけで、「ここまでは失敗して損をしても、企業活動に大きな影響はない。」と計画がたてられていて、「ここまでやってもダメだったら、撤退しましょう。」という計画が立てられているものです。