2017年8月8日火曜日

日本の自動車メーカーはどこに向かうのか?将来の車のスタイル

 トヨタ自動車とマツダは2017年8月4日、業務資本提携に関する合意書を締結したと発表した。彼らは何を目指すのだろうか?日本の自動車産業はどこで諸外国の競合と戦うのだろう?トヨタは今でも水素自動車の宣伝をやっているが、水素ステーションという高コストで扱いにくいインフラを全世界、津々浦々まで設置するなどありえない。そうなる主流はやはり電気自動車、EVのはずだ。

 私個人の見解としては、将来、車は大きく3つのスタイルに分かれる考えている。 1つ目は、アメリカなど大陸先進国スタイル、テスラが目指しているような電気自動車だ。住宅や職場が分散しており、車が生活必需品で、毎日100km以上走る車が多い人たちに向けた自動車だ。ステータスや趣味の要素も残ると考えられる。高速道路では早期に自動運転が導入されるであろう。ここでは、一回の充電での後続距離を要求される、大きめの車が望まれる。もちろん、家庭や職場の駐車場でも充電できるものが望まれる。


 2つ目は都市型、大都市では交通網が発達している一方で駐車場もコストがかかる。そこではカーシェアが普及する可能性がある。特にヨーロッパの都市やシンガポールなどではタクシーにとって代わり、自動運転化やコモディティー化が進むであろう。都市部で効率的に走行させるため、小型な車が主流になる。


 3つめは途上国型、二輪車の延長、途上国では今でもバイクに家族で乗っている姿を見る。荷物の運搬にはロバやラバを使っているところがある。これらの置き換えだ。移動距離は30kmくらいで生活に必要な道具である。スピードは不要、安価で省エネ、家庭用コンセントや数枚の太陽光発電で充電できるくらいの車である。ガソリン1リットルの価格が一日の日当より高い地域では先進国のような車は持てないし、もし中古の車を購入できてもガソリンが購入できない。そこで、コストが30~40万円程度、乗り心地は多少悪くても安価で実用になるEVが好まれるであろう。


 さて、この3つのスタイルのうち、日本のメーカーが狙うのはどこだろうか?アメリカに乗り込んでテスラなどと競争するのか?2つ目のカーシェアは市場としては大きくなる可能性がある。これはカーシェアビジネスと組んで進めるか、メーカー自ら取り組むかであるが、日本のメーカーは取り組みが進んでいない。3ついては、日本のベンチャー、テラモーターズなどが狙っている、市場は大きいが、技術的な参入障壁が低そうなので、どこで差別化するかは難しい。


 今年はヨーロッパなので内燃機関の車を廃止する動きが始まり、自動車メーカーは大きな岐路に立たされている。車載情報機器などと言っているが、極端な話、スマートフォンを持ち込めば済むようなシステムにわざわざお金を出すとは思えない。個性や走りなど、モーターの制御でガソリンエンジンなどと比較すると簡単に調整できてしまう。どこで差別化するのだろうか。
 一つだ
け言えることは、自動車にとって、更なる省エネ、死亡事故ゼロ化などの安全性、盗難防止、省スペースなど、多くのやるべき課題が残っている。電気自動車であれば蓄電池の性能向上。これらの基本的な課題に愚直に取り組むメーカーが最後に残るような気がする。自動車メーカーやその傘下の方々、日本の自動車産業はどこに向かうべきか、あちこちで議論して、斜陽産業とならないようにしてほしい。

2017年7月31日月曜日

同じ化石燃料を使うのに、電気自動車とガソリンやディーゼル車とどちらが良いか?

フランスやイギリスで「2040年以降、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料を使う内燃機関の車を禁止」が発表されてから、電気自動車(EV)の開発加速が始まった。
そうすると、すぐに「火力でつくる電力のコストが、火力(内燃機関)より安くなることは原理的にありえない。」と言い出す評論家が出てきた。さらに「可能性があるのは原発だけ」と、原発推進派が喜んでいる様だ。

モーターは速度に応じた最適な制御が出来て、回生ブレーキで車にブレーキをかけるときに、車の運動エネルギーを電気エネルギーに戻すことができるから、より少ない内燃機関より電気モーターの方が有利である。そこで、ざっと計算してみよう。テスラによると、100kWhの充電で400km以上走ることができるという。1kWhは3600kJ(キロ ジュール)100kWhは360,000kJこれで400km走るから、1kmあたりにすると900kJである。
ガソリン1リットルが燃焼したときの発熱量は34,500kJ、燃費の良い自動車でリッター20km程度
1kmあたり1725kJ,、電力量に換算すると0.48kWh

火力発電の効率だが、最新のガスコンバインドサイクルでは60%を超える効率の発電所が出てきている。火力の場合は火力発電の効率も計算に入れる必要がある。すると、
900÷0.6=1500kJの火力発電用の燃料が必要という計算になる。発電したものを充電して使った方が若干良いかほぼ同じになる。

火力発電の場合、排熱利用もできるし、排気ガスの処理も一括して行える。二酸化炭素の回収もやろうとすれば自動車よりやりやす。燃料も様々なものを使うことができる。ガソリンの流通コストより、送電の方が、エネルギーで考えると、経費も安いということで、火力発電所で発電した電力で自動車を動かす方が、内燃機関で自動車を動かすより、環境にも良くて、コストも安そうだ。

さらに、電気自動車の場合は充電池があるため、火力だけではなく、再生可能エネルギーを使いやす。車を24時間稼働させている人は少ないだろう。再生可能エネルギーの余っている時間帯に充電すれば、安い電気で走ることができるようになるだろう。また、自宅や職場で太陽光発電で充電しても良い。土日や買い物程度にしか車を使わない人の場合、車庫に設置した太陽光パネルで十分充電できるようになるかもしれない。


電気自動車はいかに、軽くて安くて長寿命の蓄電池(二次電池)を開発できるかで、差別化できます。今後さらに蓄電池開発の競争が激しくなることが予想ます。その結果、充電コストが下がり、発電の変動が多い太陽光や風力発電が使いやすくなり、普及に拍車がかかることは間違いない。

ヨーロッパ各国は、電気自動車が自国の利益に貢献できることをわかって、2040年の規制に踏み切ったと思う。日本も遅れをとらないような、政策をかんがえるべきだ。



2017年7月28日金曜日

ガソリン車禁止と原発推進

 フランスに引き続き、イギリス政府も26日、電気自動車の技術や普及の面で世界をリードするとして、ガソリン車やディーゼル車の販売を2040年以降、禁止すると発表しました。ヨーロッパでは、眼境規制の強化を背景に「電気自動車の普及」が加速しそうだ。

 日本の環境推進派も「日本も同様の規制をするべくだ」と声を上げているが、ひそかにこの動きを喜んでいる人たちがいる。原発推進派だ。現在の原発は出力調整が簡単にできないため、原発を増やすと夜間電力が余ってしまい、揚水発電の揚水などでも使い切らないために、一定の比率以上に増やすことができない。夜間電力の使い道を増やす方法が電気自動車の充電だ。福島原発事故以前には「電気自動車の普及と原発は二酸化炭素排出量削減のために推進」するはずであったものだ。


 ヨーロッパの内燃機関を使う車を禁止する動きに追従するため、日本の自動車メーカーも電気自動車の開発を加速することになるはずだ。そうなれば、日本での電気自動車も普及することになる。そうなれば、電力需要が増える。しかも、夜間に充電する車が増える。そうなれば、二酸化炭素排出量が少ないと言われる原発に追い風になると考えるだろう。


 原発に反対しつつ、電気自動車を普及させるためには、どう考えたら良いだろう。電気自動車が普及するということは、充電のコストが下がることを意味する。充電コストが下がれば変動の大きな太陽光発電などの再生可能エネルギーが利用しやすくなる。そうなれば、長距離送電が必要な原発よりも、自宅で発電して蓄えた電気エネルギーを自動車でも使えば良いし、コスト的にも安くなるはずだ。

電気自動車が普及して、蓄電コストが1kWhあたり2~3円になれば、再生可能エネルギーの比率を増やしても問題なくなる。そうなれば、扱いにくく、放射性廃棄物が出て、危険な原子力発電は不要である。

電気自動車は、効率の良いモーターやその制御装置、それらに必要な部品。最も重要な技術としては蓄電池(二次電池)の技術です。日本はまだまだこの分野で強いはず。政府も先の見えない高速増殖炉と核燃料サイクルなどはいったんやめて、蓄電などの分野に投資すべきではないか。

2017年6月24日土曜日

2017年3月 アメリカ合衆国、風力と太陽光の発電が全体の10%を超える

アメリカ合衆国では、2017年3月に、風力発電と太陽光発電の合計が、全米発電量の10%を超えました。カリフォルニア州では、州内の発電量の20%を超えています。日本より再生可能エネルギーを利用しやすい環境にあるとは言え、日本も頑張らないと、大きく遅れをとります。
詳細は
https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=31632#

graph of monthly net electricity generation from selected fuels, as explained in the article text

2017年1月14日土曜日

メガソーラー倒産増えても、太陽光発電は増える

世の中には、再生可能エネルギーを嫌っている人がなぜかいらっしゃる。メガソーラーが倒産したり、災害で太陽光発電設備が壊れると、「それ見た事か、太陽光発電何てダメだ」とおっしゃる人もいます。
最近、中古の太陽光パネルが出回り始めた。倒産して売りに出たのか、台風などで壊れて売りに出たのかは判らないが、「訳アリ品」、「傷あり」という中古品でも発電は十分できる。

中古ソーラーパネルで検索すると、何件か販売会社がヒットする。

150Wクラスのパネルが5000円程度で購入できるものもある。それで普及し始めているのが、電力会社と接続しないが、ちょっと充電して使う、独立タイプ。常夜灯などにも便利である。私もノートPCの充電などに小さい太陽電池で充電したものを使っているが、結構使える。3.11計画停電の時も照明の電源として十分使えたので、本格的なソーラーパネルを設置できない人でも気軽な電源として使うことができる。

電力会社から購入する電力の1%程度ににもならないかもしれないが、それでも数が増えれば大きな効果が得られる。大型のパネルを2~3枚設置して、5~6kWh程度の充電ができれば、10%~20%は電力購入量を減らすことも可能だ。

メガソーラーではなくても小さな太陽光発電が増えれば、全国では、メガソーラー並みの電力を生み出すことができる。蓄電池による環境負荷が増えないようにするなどの配慮も必要だが、一人一人の小さな積み重ねが、大きな効果になるはず。
メガソーラーが増やせなくても、太陽光発電は増やす事ができる。小さくても良いので、やってみよう。

2017年1月12日木曜日

トランプ大統領で加速する工場のロボット化

報道によると、トランプ次期米大統領は11日、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)に対し、フォード・モーターやフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)に倣って米国内の自動車工場に投資し、雇用を増やすよう促した。
トヨタも米国内で1兆円の投資を表明している。

さて、こんな事で雇用が増えるだろうか?自動車メーカーは安い労働力の国と競争しなければならない。メキシコで大規模な生産ができないとなれば、アメリカ国内でメキシコより安いコストで自動車を生産しようとするのは当然だ。

コンピューターの処理能力が向上し、AI、人工知能による画像認識技術なども進んでいる。今まで人間でしかできなかった作業をロボットで出来るようになりつつある。5年もすると自動車の組み立てはほとんど自動化できるだろう。今回のトランプ発言で米国内に工場設置を迫られたメーカーは、コスト削減のため自動化を加速させる必要があるため、一気に進む可能性がある。

自動車の組み立て作業を出来る汎用ロボットが出てくれば、自動車以外の産業にも普及することがなる。皮肉なことに、トランプが工場のロボット化が進み、従来の作業の多くがロボット化されてしまうことになるだろう。

雇用を増やすには、中国やメキシコと同じ仕事をアメリカに戻すだけではダメだ。日本も同じ状況で、いつまでも円安頼みの製造業から脱皮する必要があると思う。


参考報道
https://www.bloomberg.com/politics/articles/2017-01-11/trump-leans-on-gm-to-follow-ford-fiat-chrysler-u-s-investmen

「メディアが絶対に伝えない」という言葉は要注意

SNSが普及してから、「マスコミが伝えない」とか、「メディアが絶対に伝えない」などと書いてあるサイトは、まずその情報を疑った方が良いと思います。多くが、不正確な情報やウソ情報を流し、自分たちの都合に良い方向に誘導したり、金儲けや詐欺のサイトに誘導したりしている事がほとんどだからです。アメリカの大統領選挙でも、嘘ニュースが多く拡散されていたそうです。嘘を信じて事件まで発生しているそうです。

これらのウエブサイトは、人の心理につけこむサイトも多く、信じたほうが気分がよくなる様な情報に誘導するように書かれていることが多いものです。人は誰も自分を正当化しようとしたいので、自分が正しいと思うような情報やニュースは気分が良くて拡散したくなり、ウソでも拡散してしまう。

信頼のおけないニュースなどは複数のメディアで確認するとか、英語がそこそこ読める人は、海外のサイトを確認してみるとか、過激な書き方をしている場合は、単純にヒット数を稼いでいるサイトなので、元の情報を確かめてみるとか、単純に信じない方が無難だ。
それでも、友人にシェアしたい情報があった場合は、不正確な可能性が情報であることをコメントしてシェアしたほうが無難だと思う。

大手マスコミでも不正確な記述がされていることがある。技術屋からみると、あきらかに疑問がある記事を見かけることもありますが、そいういう時は、いろいろな人たちの意見を聞いてみるのも良いだろう。
また、いろいろな人には、自分と意見が違う人も含めておいた方が良いです。自分と意見が合う仲良しクラブは気分が良いが、違う視点の情報を見失うことになります。もちろん、感情的になったり、攻撃的な発言をする人は相手にしない方が良いと思いますが、違う意見で、情報が不正確だと気が付くこともあります。

最近は、ノンフィクションの様な歴史小説を真実だと思いこんでしまう人がいたり、嘘だと書いてあるにも関わらず、嘘という部分が消されて拡散されてしまったり、困ったものですが、良く調べてみるという習慣をつけて、情報に振り回せれないようにしたいものです。