日本の火力発電の効率はどのくらいだろうか?
東電などに情報が出ているが、2006年度で43.2%と出ています。
東電に掲載されている情報はhttp://www.tepco.co.jp/torikumi/thermal/images/fire_electro_efficiency.pdf
試しに、他の情報で計算してみましょう。
資源エネルギー庁の情報などを見ると、日本の化石燃料がどのくらい発電に使われたかわかります。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/
2011年の情報を見ると
2011年に発電に使われた化石燃料は熱量で表すと
天然ガス 2975×10^15 J (ジュール)
原油 456×10^15 J
石炭 1981×10^15 J
合計 5412×10^15 J
化石燃料による2011年の発電量は、8574億kWh(キロワット時)の79.1% = 6782億kWh
( 1kWh = 3.6×10^6 J)
これをジュールにすると、2442×10^15 J
発電量÷投入された化石燃料=効率ということですから
2442÷5412=約0.45 =45%
さて、これを全て最新の高効率な火力に置き換えるとどうなるでしょうか?
天然ガスコンバインド発電では上記の東電に掲載されている情報でも60%を超えています。
石炭ガス化コンバインド発電も55%程度の効率が出ます。
これで、2011年を計算してみます。原油は石炭に置き換えて計算すると、
2975×0.6+(456+1981)×0.55=3125×10^15 J
です。kWhに換算すると
8682億kWh
と、2011年の発電量を超えます。
水力や原子力が無かったとしても火力だけで同じ以上の電力が得られた計算になります。
つまり、現状の火力を、全てを高効率な火力に置き換えることが出来れば、同じ化石燃料の量で、1.3倍以上の発電量を得られるということになります。原子力が無くても福島原発事故の前、3割程度の原子力発電は不要でも済むことになります。火力でも高効率にすることで、現状の7割程度の化石燃料で済むため原発なしでも済む計算になります。
現在の原子力発電は発電量の調整が難しいため、不要な時でも発電を続けてしまうため、調整電力としての役割には使いにくい電源です。太陽光や風力発電は化石燃料を使わずに済むので、コストさえ下がれば資源の無い日本に有益なエネルギー源ですが、変動があるため調整電力が必要になります。原子力と比較すると調整しやすい火力の方が太陽光や風力発電とは相性が良いことになります。
原子力を極力減らすと言いながら使い続ければ、処理方法の決まっていない放射性廃棄物は増え続け、事故のリスクもつきまといます。それくらいなら、高効率火力+再生可能エネルギーの拡大というほうが現実的だと思います。
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