2017年9月3日日曜日

550km上空を通過するミサイルが上空で爆発したら、落下物の危険はないか?

北朝鮮が8月29日に発射した「火星12」とみられる弾道ミサイルについて、もしも、550km上空をマッハ10.5で通過中に爆発した場合、真下の日本の陸地に落下物は落ちてこないか?

爆発でばらばらになったミサイルの破片は、どんなに加速されても、マッハ2程度です。例えばライフル銃の弾丸は通常マッハ2から3程度と言われています。爆発は爆破時間が短く、広がる空間で、ライフルのような筒の中のようには加速できません。

さて、550km上空を、マッハ10.5で移動中の物体が爆発して、破片が真下にもしもマッハ3で飛び出したとします。(余裕をみて、マッハ2ではなく、マッハ3で計算してみます。)その物体が地上まで落下する時間は?

初速が1020m/秒加算された計算になります。
自由落下で1020m/秒に加速するための時間は、104秒、約53km落下後です。
t=v/g (v:速度、g重力加速度9.8m/s^2)
さらに53km上空から落下させたときの、落下の残り時間と同じです。
603km上空から地上までかかる時間は、350秒ですから残り時間は
350秒-104秒=246秒、
246秒後に地上に到達することになります。

落下距離から時間を求めるためには、
SQRT(2×h/g) h:高さ
です。

さて、
マッハ10.5、秒速3570mの物体が246秒進むと、約878km
約850km以上先に落下することになります。

重い破片ほど、爆発時に加速できないので、より遠くに飛ぶことになります。

では、後方にマッハ3で飛だした破片は、どうなるでしょう。
マッハ10.5-3=7.5
つまり、マッハ7.5に減速したことになります。
550kmを落下する時間は約335秒ですから、
0.34×7.5×335=約850000、850km先ということになります。

実際は、爆発で破片が飛び出す速度は、マッハ3までは到達しないと思われますので、真上で爆破しても、心配ないといえます。

では、次回は、上昇中について、考察してみます。

(もしも、計算ミスや勘違いがありましたら、コメントでご指摘ください。)


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