電気自動車が普及したら、どの程度の発電所を追加する必要があるか?
100万台で100基とかウソっぽい計算をする人がいましたので、自分で計算してみることにしました。
運送用の大型貨物車(トラック)のEV化は、今後どうなるかわからないので、まずは、乗用車だけで計算してみましょう。
日本の乗用車の台数は、約5000万台です。また、1台あたりの平均の年間走行距離は、10575kmだそうです。
365日で割ると、一日の平均走行距離は29kmです。
電気自動車の電費は、車種によっていろいろになりますが、5km/kWh程度とします。
(調べると4~10km/kWhなので、少し悪い数値を使って、5km/kWhとしました。日産リーフは1kWhあたり10kmと言われていますので、その倍の電力を想定しています。)
そうすると、一台の平均は5.8kWh/台・日の電力消費量になります。
充放電の損失も考えて、6kWhとして計算しましょう、5千万台だと、合計で3億kWh/日です。
24時間で割ると、平均1250万キロワットの発電量が余計に必要になります。原発12~15基分くらいの発電所を増やさないと供給できない数値です。
これを年間で計算してみましょう。年間365日で、1095億kWh/年です。
現在の年間電力需要は1兆kWh/年よりやや少ない程度ですから、総需要が10%強伸びる程度です。
実際の電力需要は、照明をはじめとして省エネが進んでいますので、総需要は2007年をピークにすでに、10%くらいは減っています。さらに減ることが予想できます。今後、再生可能エネルギーによる発電もさらに拡大しますので、一般の乗用車が全てEVになっても、発電所の数は増やさなくても足りそうです。また、駐車している時間の長い一般の乗用車は再生可能エネルギーの発電量によって、充電電流を制御する事も可能で、再生可能エネルギーの調整の役割も可能であり、再生可能エネルギーとの親和性も高いといえます。
電気自動車の普及で、発電所をたくさん増やさないといけないというのは誤解です。
参考資料自動車の台数と走行距離
http://www.mlit.go.jp/jidosha/iinkai/seibi/5th/5-2.pdf
電力需要
http://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/
リーフの燃費
https://ev1.nissan.co.jp/LEAF/RORA/QUESTIONS/DETAIL/399
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