2011年1月14日金曜日

上昇志向vs変革志向

社内で様々な人を観察してみると「上昇志向」の人と「変革志向」の人がいる。
どちらも向上心という点では共通だが、まったく異質だ。「上昇志向」の人は、どちらかというと、他人との比較で、評価が良いとか、収入が多いとか、出世することに優越感を感じ、そのために努力している人たちだ。一方「変革志向」の人は、変化することが楽しくて、昨日と同じことが我慢できない。レールは自分で引きたいという人材だ。もちろん、人間だから、他人と比較することもあるだろし収入も気にするだろう、しかし、変化する事に価値を感じるので、変化させることに夢中になると評価や収入など忘れてしまう。

企業にとってはどちらの人材が役立つのだろうか。企業の中でサラリーマンを続けている人たちなのだから、安定志向だけど、どちらかというと上昇志向か変革志向かという比較だが、現在の企業においては、まちがいなく変革志向の人材が重要にになっていると思う。

理由は次のように考える。

上昇志向の人材も社長が「変革が重要だ」と言えば、一生懸命に変革に取り組むだろう。しかし、いつわりの変革志向だから、いざとなると保身の発想が出てきてしまう。他社と競争するなら良いが、社内にライバルを作ってしまう人も多い。多くの仕事がスピードアップが必要で、かつ、複雑化している。チームでの仕事、部門横断での仕事が重要なはずだが、社内での競争心が強く、スタンドプレーをしてしまう可能性もある。また、いわゆる上ばかり見ている、「ヒラメ族」になってしまうかのうせいもあるので、少し大きな企業になると、経営層に都合の良いことしか伝わらないということが発生するだろう。もちろん、努力家も多いので役立つ人材も多いだろう。

変革志向の人はどうだろう。前と同じ事をやりたがらないし、定型業務には向かない。変革を好むあまりに自社の利益にも無頓着になってしまう可能性もある。しかし、いくら変革志向だからと言ってもサラリーマンだから、自社を犠牲に変革を求める事まではやらないでしょう。変革志向は向上心と言っても、知的好奇心が強いので、努力するというよりも、遊び感覚で知識を吸収してゆくタイプだ。それから、自分でレールを引きたがるので、自由にやらせないと嫌がるし、物事に対して好き嫌いがはっきりしている。上昇志向の人材と比べると単純には満足しないので、マネジメントしにくいかもしれないが、変化というアウトプットをニンジンにすればバリバリ仕事をするはずだ。

多くの企業の創業者と言われる人は、「変革志向」だから創業をしたのだろう。
世の中では、「第二の創業」という言葉を聞くと思うが、企業は変革を続け、創業を繰り返しているような状態にならないと競争に負けてしまう。そのためには、変革志向の人たちを上手く活用できる企業が強くなるような気がする。マネジメントしにくいから避けていては競争に負けてしまう。
変革志向の人を採用し、活かす経営が必要だと思う。

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