2011年1月9日日曜日

どう防ぐ、企業の情報漏洩

ルノーの電気自動車(EV)に関する情報漏洩が報道されれているが、研究開発に莫大な費用をかけている企業が、その情報漏洩を防ぐには企業はどうしたら良いのだろう。

自動車をはじめ工業製品のほとんどが小人数では開発できず、多くの人間が開発に関わっている。開発に関わる全員が情報を持ち出さないように管理すると言うことが難しくなっている。情報管理に様々な方法をとろうという企業も多いが、管理システムを強化すればするほど、必要な情報が必要な人に伝わらなくなり、開発のスピードにブレーキをかけてしまう。
世の中で情報漏洩事件が発生したり、社内で情報漏洩が発覚すると、ほとんどの企業は情報管理を徹底しようとする。特に情報管理を実行する部門や担当者は鬼の首でもとったかのように、上層部に報告し、管理が強化される。現場では情報管理に時間や人手がかかるようになったり、IT化以前の部下との情報の差でマネジメントするような効率の悪い管理職が出てきてしまう。情報漏洩防止のために短絡的に情報管理を徹底しても限界があるし、コストがかかるだけではなく、競争力も低下させてしまう可能性がある。

さてどうするか?
特許も重要になる。知的財産権は、国際的な取り決めを守らない国には効果は無いが、特許の戦略は重要だろう。
それから、開発のスピードでの差別化がもっとも重要だと思う。他人が作った資料を元に真似をしようとしても、それなりの投資も必要だし、そんなに簡単に真似出来ないものだ。真似をしても数年はかかってしまうだろう。他社が真似して製品化できるころには、次のレベルに到達しているスピードがあれば、少しくらい情報が漏洩したところで真似できないだろう。情報管理の徹底に投資するよりもスピードにこだわった投資を優先したほうが良いかもしれない。
差別化のポイントとしては、暗黙値というのがある。マニュアル化、形式値化ができない差別化だ。いわゆる職人技、人が頼りになるような差別化、情報として盗めないようなキーとなるような何かがあれば、他社は真似できないだろう。

まとめると、情報は漏れるものと考えて差別化をはかる。情報漏洩にばかり投資したところで、開発の効率を落としては意味が無い。情報漏洩よりもスピードアップに投資するべき。マニュアル化、形式値化すべきところは徹底的にやって情報共有するべきだが、暗黙値が企業の差別化になっていることを忘れてはならない。

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