川内原発の再稼働に関して、もっともらしい記事を読んだ。
「川内原発の再稼働が必要な4つの理由 再稼働がもたらすリスクとベネフィット」
という題名だ。
ちょっと説明に無理があるのではないかと感じた。
まず、エネルギーの安全保障、エネルギーの入手先を分散し、エネルギーの種類を増やすと、もし何かあった場合に全て停止することが無く、エネルギー安全保障になる。確かにその通りですが、原子力はどうだろう。原発と言うのは出力調整が難しい、需要が多くても少なくても出力調整できないので困る。
つまり、変動する需要に対して必ずオンオフの簡単な電源が必要になる。3.11以前の原発が3割稼働していた時期でも、需要変動に対応しているのはほとんどが火力である。現在、原発が無くても火力で需要に対応できたが、もし、火力がほとんど止まったとすると、原子力だけでは時間帯による需要変動にまったく対応することが出来ない。もちろん、揚水発電所を増やしたり、蓄電設備を増やせば対応可能だが、蓄電を増やすなら、廃棄物の処理も決まっていない原発よりも、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを増やすべきではないか。
二つ目が、電気は足りているか、記事によると「夜間に火力で揚水して、日中のピーク時に揚水で発電している」ような事が書かれている。そもそも、揚水発電は、深夜から早朝に原発の電気が余ってしまい、出力を落とせないため、どうしても需要を増やす必要があり、苦肉の策として揚水発電が普及してきた。ピーク電力はコンバインドサイクルなどで対応可能ですし、最新のコンバインドサイクルは効率60%程度と効率も良く、短期間で設置が可能だ。老朽化した火力を使い続けているというが、3.11から4年も古い火力を使い続けて最新の火力を設置してこなかった方が問題ではないか。
電気料金いついて、原発は現在のコストを考えると安いかもしれないが、実現していない核燃料サイクルありきの見積もりであり、使用済み核燃料の最終的な行き場もコストもわからない。将来にツケを回しているだけではないか。
また、よく言われる理由が二酸化炭素の排出量、前にも書いたが、今ある稼働が可能と思われる日本の原発を全て稼働しても、全地球上の二酸化炭素の0.3%にも満たない。廃棄物のリスク、事故のリスクがある中で無理やり稼働させて減らす量だろうか?自動車や物流などでの二酸化炭素排出量、セメントの製造で発生する二酸化炭素排出量もかなり多いはずであり、ほかでも二酸化炭素削減はできるはずである。原子力を動かしたい理由に無理やり二酸化炭素排出量を大げさに言っているように感じる。
以上のように、原発を稼働させなければならない理由は、むりやりこじつけているように感じる。
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