2015年8月17日月曜日

原発比率は3~4割以上に増やせません。

日本の原発比率を7割8割に増やすべきだという話を聞いたことがあります。
素人ならともかく、そうでもなさそうな人でも、そう発言している人がいますので、驚きました。

原子力は出力調整は制御棒の抜き差しで簡単に出来ると思われがちですが、そうではありません。ニュースなどでも稼働から送電開始し、安定な出力得るまで何日もかかっている事がわかります。現在の原発はホウ酸水の濃度などを調整しながら、安定する運転をするまでに時間がかかり、日中と深夜の電力調整は簡単にできません。したがってベースロード電源と言われます。

深夜から早朝にかけての電力使用量は日中ピークの3~4割程度、これ以上原発を増やすと、無理やり深夜から早朝に電力を使うか、揚水発電の揚水に使うか、蓄電池に充電するかです。どうやっても7割8割に増やす事はできません。
フランスは原発の割合が多いと言われていますが、島国の日本と違って余った国外に電力を送電できます。日本でも一つの電力会社だけ原発比率を増やす事は可能ですが、全体で7割8割など、ありえないです。

揚水発電や蓄電を増やすならば、再生可能エネルギーに使う方が賢明でしょう。「二酸化炭素排出量を減らすために原発比率を増やしたい」と言っても、調整電力の火力発電をやめることができないのが現状です。

電気自動車を増やして、原発比率を増やすために、夜間電力の需要を増やしたいという目論見もあるようですが、電気自動車の普及には蓄電池の更なる電力密度向上、長寿命化、コストダウンなどが必要で、それが実現すれば、再生可能エネルギーの充電コストも下がりますので、原発を増やせる理由にはならなくなるでしょう。

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