2016年4月20日水曜日

熊本地震で川内原発を止めても大丈夫か?


川内原発を止めた状態で、熊本変電所(または熊本変電所を通る送電線)が切れた場合に、南九州は大丈夫か?というのが話題になっているので、計算してみました。
九州電力の現在供給可能量は1243万kW(供給可能電力は九州電力のホームページ参照。)
宮崎と鹿児島など南部の電力使用量は20~25%程度、使用量の割合は、http://www.japan-now.com/article/190796595.html

から算出できます。おおよそ、ピークで300万kW程度の供給可能であれば大丈夫という計算になります。夏場でなければ、需要は最大供給量の70%程度の需要で足りています。
ということで、240万kW程度あれば、川内原発止めた状態で熊本変電所がやられても、足りる計算になる。南九州の火力は240万kWの能力があるので、火力だけで何とかなりそうです。さらに、揚水発電所もあるので、日中の短時間のピークも対応できそうです。

結論は、川内原発を止めた状態で、北部九州と結ぶ送電線や変電所が地震で壊れても電力的には大丈夫と思われます。あくまでも公開されている情報からの推定です。


2016年4月2日土曜日

横並びの発想が日本をダメにする フレックスタイムをやめる大企業

ここ数年、6時台、7時台の通勤電車が混雑するようになった。理由はフレックスタイム制度を廃止する企業が増えているのも原因のようだ。イノベーションが出来ないと悩んでいる経営者も多いが、一方で他社の真似をする横並び発想が多く、そのひとつにフレックスタイムの廃止がある。
なぜフレックスタイムを廃止したいのか?いくつか理由があるようだが、経営者の多くが、昭和の高度成長時代を思い出しているのか、古い価値観しか持ち合わせていないからかもしれません。

フレックスタイムをやめる理由だが、
・従業員が時間にルーズになる
・遅く出社した人にあわせて残業が増える
・担当者と連絡がとれない、コミュニケーションが悪くなる
・担当者が出社していなくて、顧客満足度が低下する
・フレックスタイム導入前の方が業績が良かった
など、経営者がもっともらしい理由をあげる

中には、毎日寝坊して、時間にルーズになる従業員もいるだろうけれど、ごく一部、みんなが遅く出社するわけではない。顧客満足度というが、業務によるだろうし、担当者ではないと対応できない様な体制に問題がある。同じ会社でも業務によっても違うはず、生産ラインは同時にスタートしなければならないだろうし、お客様に対応する部門は、お客様の時間に合わせる必要があるが、何も全部門で時間を合わせる必要は無い。従業員の自主性が重要だと言う経営者が多いが、いざ、制度などを考えると、従業員を横並びにしないと気が済まないのか、他社がやると自社も真似するという経営者が多い。

本当にフレックスタイムを廃止すると業績が上がるのだろうか?
シャープは2002年から、キヤノンは2003年から廃止したそうだが、シャープはまったくダメになったし、キヤノンも業績が伸びているとはいえない。それでも業界横並びの発想で、同じように廃止を進める企業が多い。逆にフレックスタイムを拡大してコアタイムをなくすことくらいやる企業が出てきても良いと思うが、ほとんどない。今の日本にはイノベーションが必要だと言いながら、業界横並びの発想から抜けられない経営層、いったい何がそうさせているのだろうか?

いずれにしろ、業界横並びの発想をしていては、日本はますます落ちてゆくだろう。他社と同じことをやらない経営者が増えてほしい。特に大企業には。

2016年3月17日木曜日

日本のものつくりがダメになってたまるか!

サラリーマン技術屋のみなさん、このままでは本当に日本のモノつくりはダメになってしまう。

シャープや東芝がダメになったのは、もちろん経営者の責任だ。
でも、日本のモノつくりをダメにしてきたのは、経営者だけでなく、上ばかり見て、黙ってきたサラリーマン技術者にも責任がある。

経営者のいう事には絶対逆らわず、上にあわせて黙ってヒラメやっていたら会社が傾いて、気が付いたらリストラになってしまうなんてことが、明日は我が身かもしれない。
自分だけは大丈夫なんて、そんな証拠はあるだろうか?

いつまでもヒラメやっていないで、自分で真剣に考えて、「これは変だ、これではダメだと」思ったら、上司だろうが、役員だろうが、社長だろうが、本音で、しっかり意見を言ってみよう。
このままでは、日本の技術はダメになる。




2016年3月14日月曜日

蓄電池に投資せよ

二次電池(蓄電池)の需要は確実に伸びる。蓄電池で成功すれば大きなビジネスになるのは、間違いない。
電気自動車の需要はもちろん大きいが、電力用の需要拡大は世界的に見込まれるからだ。発電の変動が大きい、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの普及にも必要ですし、原発のように需要変動に耐えられない電力の調整にも利用できる。日本のように人口が集中している地域では送電コストがかからないが、人口が分散していたり、国土の広い国では、蓄電コストがある程度下がれば、太陽光または風力と蓄電の組み合わせが爆発的に普及する可能性が高い。
電力需要用は自動車用ほどエネルギー密度を上げる必要が無いので、コストを優先でサイズは少々大きくても問題にならない。コストは長寿命化で一回当たりの蓄電コストを下げることができれば、蓄電池そのもののコストは現在と同じでも問題なさそうだ。1kWhあたり2~3円が実現できれば十分普及できる。
メーカーはもちろん、政府も日本経済のために優先的に投資してはどうか。

2016年3月13日日曜日

破壊的革新

最近、「イノベーション」という言葉が流行っていて、多くの経営者が「イノベーション」という言葉を使っているが、言葉の定義が曖昧である。外国語をそのままカタカナにすると、本来の意味と違った使われ方がされたり、あるいは誤訳されたり狭義のまま訳されたりしてしまうことが多い。いまだに「イノベーション」を「技術革新」だけだと誤解している人もいる。
「イノベーション」という言葉をあえて日本語に置き換えるとしたら「破壊的革新」としては、どうだろう。経営者の発言で「イノベーション」という言葉が出てきたら「破壊的革新」と置き換えてみると、本物のイノベーションかどうか判断できるのではないだろうか。

2016年2月14日日曜日

海外で地震に弱い建物の見分け方

台湾でマンションが地震で倒壊しましたが、海外、特に途上国で「このホテル地震が起こったら大丈夫だろうか?」と思うことがあります。

五年前にもこのブログに書きましたが、一つはAMラジオが室内で良く受信できるかどうか?日本でマンションにお住まいの方はよくわかると思いますが、AMラジオは鉄筋コンクリートなど金属が多く使われた建物では窓際に行かないと良く受信できません。

海外である国のホテルに泊まった時に、ベットの上でごろごろしながら携帯ラジオの電源を入れると、AM放送がきれいに入ってきます。そこそこ高級ホテルですし、建物は4階建てで鉄筋コンクリート建てかと思ったら、どうもブロックかレンガを積み重ねただけの様でした。
特に地震が多い地域で、こういうホテルに長期宿泊は、遠慮したいと思います。

ただし、AMラジオは波長の長い周波数を使っているので、50cm間隔でも金属が入っていると電波を遮断しやすくなるし、送信所が近ければ良く受信できますので、あくまでも参考程度です。


2016年1月13日水曜日

原発はエネルギー安全保障には使えない

万が一石油やLNGの供給が止まった場合のエネルギー安全保障のために原発が必要だという主張があります。本当にそんなことが可能でしょうか?
現在の原発では無理でしょう。理由は原発は出力調整が簡単にできません。短時間に変動する需要に対して火力発電がなければ需要調整が不可能だからです。もちろん、水力発電も調整電力に使うことが出来ますが、水力発電は容量に限りがあり日本では原発+水力では需要変動に耐えられません。つまり、火力でとくに調整電力に多用されているLNGの供給が止まれば、原発もほとんど動かせなくなるということです。
解決する手段は、短時間で出力調整可能な原発を開発するか、蓄電による需要調整だと思います。蓄電コストが下がり普及すれば、廃棄物の処理に困るような原発ではなく、風力や太陽光発電を普及させたほうが良いのではないかと思います。
エネルギーの安全保障は重要ですが、単純に原子力があれば大丈夫だと考えるは、間違いですね。