2014年7月5日土曜日

なぜ、ドイツ国民は再生可能エネルギーを歓迎しているのか?

ドイツでは再生可能エネルギーが増え続け、2014年の1kWhあたりの負担は6セントを超える見通し。(1セントは1ユーロの100分の1)、物価を単純に為替で比較はできないが、日本円にすると9円くらいになる。

ドイツ大使館のサイトに掲載されている再生可能エネルギー負担

それでも、ドイツの多くの人たちは、再生可能エネルギーを歓迎している様だ。

http://www.japan.diplo.de/contentblob/4211004/Daten/4169975/201401DE_Umfrage.pdf

なぜ、コスト負担が増えても、再生可能エネルギーを歓迎する人が多いのだろう?

一つは、住宅の高気密・高断熱化が進んでいて、エネルギー消費量が減っていることがある。(日本より夏場は涼しいので、そもそもエアコンは不要で、エネルギー消費が増えるのは冬場。)また、太陽光発電の設置など、個人住宅だけではなく集合住宅でも行われていたり、コジェネで暖房していたりと、電力を売る側の立場の人も多いのかもしれない。

ドイツでは、環境に積極的な人が多く、長期的な視野を持つ人が多いのかもしれません。ドイツの太陽光発電の急速な普及で、ソーラーパネルは値崩れを起こして、ドイツのメーカーが倒産したりしています。パネルの価格が下がり続け、数年前まで10万円くらいしていたものが同じ発電量で2万円くらいまで下がっています。価格が下がったので途上国の人たちでもソーラーパネルが購入できるようになってきました。ドイツの人は損をしたかもしれませんが、今まで電気が来ていなかった、貧しい人たちに、小さな電力が供給できるようになり、情報へのアクセス、子供たちの教育などにも役立っています。ドイツの活発な再生可能エネルギーへの取り組みは、途上国の生活に大いに影響を与えているわけです。

日本でも、再生可能エネルギーの普及によるコスト負担を騒いでいる人もいますが、消費税の増税負担などと比較すると桁違いに小さい負担増です。再生可能エネルギーは国産エネルギーで海外からエネルギー調達する必要がないので、エネルギーの輸入量を減らすことができます。(もちろん、厳密には、発電するための材料などは輸入に頼っていますが。)
一家庭あたり、500円から1000円の負担増で社会が変えられるなら、騒ぐほどの事では無いですね。そのくらい省エネでなんとかなりますし、日本人も、太っ腹ドイツ人を、少しは見習ってもよいのではないかと思います。

モンゴルの遊牧民の住まい(ゲル)に設置されたソーラーパネル
価格が下がり、多くの家庭に普及し、テレビや携帯の充電などに使われている。

0 件のコメント:

コメントを投稿