フランスやイギリスで「2040年以降、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料を使う内燃機関の車を禁止」が発表されてから、電気自動車(EV)の開発加速が始まった。
そうすると、すぐに「火力でつくる電力のコストが、火力(内燃機関)より安くなることは原理的にありえない。」と言い出す評論家が出てきた。さらに「可能性があるのは原発だけ」と、原発推進派が喜んでいる様だ。
モーターは速度に応じた最適な制御が出来て、回生ブレーキで車にブレーキをかけるときに、車の運動エネルギーを電気エネルギーに戻すことができるから、より少ない内燃機関より電気モーターの方が有利である。そこで、ざっと計算してみよう。テスラによると、100kWhの充電で400km以上走ることができるという。1kWhは3600kJ(キロ ジュール)100kWhは360,000kJこれで400km走るから、1kmあたりにすると900kJである。
ガソリン1リットルが燃焼したときの発熱量は34,500kJ、燃費の良い自動車でリッター20km程度
1kmあたり1725kJ,、電力量に換算すると0.48kWh
火力発電の効率だが、最新のガスコンバインドサイクルでは60%を超える効率の発電所が出てきている。火力の場合は火力発電の効率も計算に入れる必要がある。すると、
900÷0.6=1500kJの火力発電用の燃料が必要という計算になる。発電したものをEVに充電して使った方が若干良いかほぼ同じになる。
火力発電の場合、排熱利用もできるし、排気ガスの処理も一括して行える。二酸化炭素の回収もやろうとすれば自動車よりやりやす。燃料も様々なものを使うことができる。ガソリンの流通コストより、送電の方が、エネルギーで考えると、経費も安いということで、火力発電所で発電した電力で自動車を動かす方が、内燃機関で自動車を動かすより、環境にも良くて、コストも安そうだ。
さらに、電気自動車の場合は充電池があるため、火力だけではなく、再生可能エネルギーを使いやす。車を24時間稼働させている人は少ないだろう。再生可能エネルギーの余っている時間帯に充電すれば、安い電気で走ることができるようになるだろう。また、自宅や職場で太陽光発電で充電しても良い。土日や買い物程度にしか車を使わない人の場合、車庫に設置した太陽光パネルで十分充電できるようになるかもしれない。
電気自動車はいかに、軽くて安くて長寿命の蓄電池(二次電池)を開発できるかで、差別化できます。今後さらに蓄電池開発の競争が激しくなることが予想ます。その結果、充電コストが下がり、発電の変動が多い太陽光や風力発電が使いやすくなり、普及に拍車がかかることは間違いない。
ヨーロッパ各国は、電気自動車が自国の利益に貢献できることをわかって、2040年の規制に踏み切ったと思う。日本も遅れをとらないような、政策をかんがえるべきだ。
2017年7月31日月曜日
2017年7月28日金曜日
ガソリン車禁止と原発推進
フランスに引き続き、イギリス政府も26日、電気自動車の技術や普及の面で世界をリードするとして、ガソリン車やディーゼル車の販売を2040年以降、禁止すると発表しました。ヨーロッパでは、眼境規制の強化を背景に「電気自動車の普及」が加速しそうだ。
日本の環境推進派も「日本も同様の規制をするべくだ」と声を上げているが、ひそかにこの動きを喜んでいる人たちがいる。原発推進派だ。現在の原発は出力調整が簡単にできないため、原発を増やすと夜間電力が余ってしまい、揚水発電の揚水などでも使い切らないために、一定の比率以上に増やすことができない。夜間電力の使い道を増やす方法が電気自動車の充電だ。福島原発事故以前には「電気自動車の普及と原発は二酸化炭素排出量削減のために推進」するはずであったものだ。
ヨーロッパの内燃機関を使う車を禁止する動きに追従するため、日本の自動車メーカーも電気自動車の開発を加速することになるはずだ。そうなれば、日本での電気自動車も普及することになる。そうなれば、電力需要が増える。しかも、夜間に充電する車が増える。そうなれば、二酸化炭素排出量が少ないと言われる原発に追い風になると考えるだろう。
原発に反対しつつ、電気自動車を普及させるためには、どう考えたら良いだろう。電気自動車が普及するということは、充電のコストが下がることを意味する。充電コストが下がれば変動の大きな太陽光発電などの再生可能エネルギーが利用しやすくなる。そうなれば、長距離送電が必要な原発よりも、自宅で発電して蓄えた電気エネルギーを自動車でも使えば良いし、コスト的にも安くなるはずだ。
電気自動車が普及して、蓄電コストが1kWhあたり2~3円になれば、再生可能エネルギーの比率を増やしても問題なくなる。そうなれば、扱いにくく、放射性廃棄物が出て、危険な原子力発電は不要である。
電気自動車は、効率の良いモーターやその制御装置、それらに必要な部品。最も重要な技術としては蓄電池(二次電池)の技術です。日本はまだまだこの分野で強いはず。政府も先の見えない高速増殖炉と核燃料サイクルなどはいったんやめて、蓄電などの分野に投資すべきではないか。
日本の環境推進派も「日本も同様の規制をするべくだ」と声を上げているが、ひそかにこの動きを喜んでいる人たちがいる。原発推進派だ。現在の原発は出力調整が簡単にできないため、原発を増やすと夜間電力が余ってしまい、揚水発電の揚水などでも使い切らないために、一定の比率以上に増やすことができない。夜間電力の使い道を増やす方法が電気自動車の充電だ。福島原発事故以前には「電気自動車の普及と原発は二酸化炭素排出量削減のために推進」するはずであったものだ。
ヨーロッパの内燃機関を使う車を禁止する動きに追従するため、日本の自動車メーカーも電気自動車の開発を加速することになるはずだ。そうなれば、日本での電気自動車も普及することになる。そうなれば、電力需要が増える。しかも、夜間に充電する車が増える。そうなれば、二酸化炭素排出量が少ないと言われる原発に追い風になると考えるだろう。
原発に反対しつつ、電気自動車を普及させるためには、どう考えたら良いだろう。電気自動車が普及するということは、充電のコストが下がることを意味する。充電コストが下がれば変動の大きな太陽光発電などの再生可能エネルギーが利用しやすくなる。そうなれば、長距離送電が必要な原発よりも、自宅で発電して蓄えた電気エネルギーを自動車でも使えば良いし、コスト的にも安くなるはずだ。
電気自動車が普及して、蓄電コストが1kWhあたり2~3円になれば、再生可能エネルギーの比率を増やしても問題なくなる。そうなれば、扱いにくく、放射性廃棄物が出て、危険な原子力発電は不要である。
電気自動車は、効率の良いモーターやその制御装置、それらに必要な部品。最も重要な技術としては蓄電池(二次電池)の技術です。日本はまだまだこの分野で強いはず。政府も先の見えない高速増殖炉と核燃料サイクルなどはいったんやめて、蓄電などの分野に投資すべきではないか。
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